よしなが え! なぜそれを? 岡村 毎回、ゲストの方についての資料をたくさん読むんですが、その中に見つけました。僕も『山月記』が大好きなんですよ。 よしなが 高校の頃に教科書で読んだんです。国語の先生に「面白かった!」と言ったら、「カフカの『変身』も読むといい」と。 岡村 僕も高校の教科書で読んでめちゃくちゃ影響を受けたんです。 だから、高校時代に組んでいたバンド名、「山月記」でした。 よしなが へえ~! 岡村 高校生ってまだ何者でもないじゃないですか。でも、自分なりのプライドはあるので、過剰な自尊心が自分を化け物にしてしまう物語が心に響くんです。 よしなが 本当に。先生が黒板に「尊大な羞恥心」と「臆病な自尊心」と書いてイコールで結んで。「同じなんですよ、これは」と。 岡村 小説の中に出てきますもんね。「我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為である」。主人公は最後虎になっちゃうという。