地域の住民が子どもたちに食事を提供する「こども食堂」が急速に増えている。NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」の調査(6月末発表)によると、全国に3718カ所。3年前の12倍という勢いだ。 「貧困問題の世界に起きたイノベーション。自分が越えられずにきた壁を越え、インフラになりつつある」。支援にかかわってきた社会活動家・湯浅誠さんは、そうたとえる。 30年前、路上生活者の支援を始めて以来、どう訴えても越えられずにきた、貧困を取り巻く「壁」。 それは人の思考の中にあるという。 この春、東京大学先端科学技術研究センターの人間支援工学分野に、特任教授として着任しました。テクノロジーを使って人間関係を支援していく分野と縁ができたので、10年ほど前に考えた道具を作れたらいいな、と思っています。 内閣府の生活実態調査を見ると、月1-2回しか友人や家族と話さない人が10%ほどいます。日常会話の