大学卒業以来、働き続けてきた会社を追われるようにして辞めたというマナブさん。再就職した先は最低賃金水準で「生きるためだけに働いていると思うとしんどいです」と語る(写真:マナブさん提供) 現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。 今回紹介するのは「53歳の秋に大学卒業以来勤めていた会社から、突如これまでの勤務態度、成果を問い詰められその結果追われる形で退職しました」と編集部にメールをくれた55歳の男性だ。 【グラフ】1人あたりGDP、日本と韓国を比べると? ■「取引先からクレームも来てんねん」 「ミスも多いし、取引先からクレームも来てんねん」 関西地方の会社で働いていたマナブさん(仮名、55