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ブックマーク / spa-game.com (13)

  • 不完全情報ゲームデザインの基本定理 | スパ帝国

    嘘つきゲームを作る時の問題 この頃ポーカーに凝っていてテキサスホールデムを随分遊んでいる。電車の中で暇があると古典と呼ばれる理論書を読んだり確率表を眺めたりして時間を潰す。アメリカの国民的ゲームと呼ばれるだけあって相当な量の研究がなされている。 しばらく遊んでいる内に気が付いたのだが、ポーカーはどうやら役を作るゲームではなくて誰が強い役を持っているかを当てるゲームらしい。自分が一番強いハンドを持っていると思ったら賭け金を膨らます。弱いと思ったら大人しくしている。ブラフをかけたり煙幕を張ったりも偶にはするが、そうした搦め手の頻度は最初思っていたよりずっと少ない。 卓の上でやり取りしているのは当はカードでもチップでもなく情報である。見えているカードや他の人間の行動によって推察を行い、それに基づいて行動し、その行動がまた他の人間にとっての手がかりになる。 そこで興味深いのが”Harringto

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    mizchi 2018/11/12
  • Not My Fault! 〜俺のせいじゃない!〜 | スパ帝国

    炎上プロジェクトをテーマにしたブラフゲーム。ルールや発売日など。 燃えよプロジェクト! Not My Fault!はシステム開発会社を舞台にしたブラフゲームである。プレイヤーは数字カードを引いてプロジェクトを進める。全員の伏せたカードの合計数が実際の進捗であるが、困ったことに各プレイヤーは自分の分しか実態が分からない。誰かが過大申告をしていたら案件は静かに炎上しているのだ! 申告が明らかに実態とズレていると思ったら「監査!」と叫ぼう。その瞬間全ての数字カードが表にされ真相が明らかになる。もし実際の進捗が申告に達していなかったら、直前に手を動かしていた人間が全ての責任を負わされクビが飛ぶ。 しかし監査を恐れて小さな申告を続ける事もできない。何故ならプロジェクトにはマイルストーンが設定されており、そこに届かない申告は1人1回しか許されないからだ。やらかしてしまった後は実態がどうあれ黒いマスまで

    Not My Fault! 〜俺のせいじゃない!〜 | スパ帝国
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    mizchi 2017/08/01
  • 翻訳記事:勝つ為に戦う(27) | スパ帝国

    これは翻訳記事です 勝つ為に戦わない この回では逆の視点から見てみよう。いつも「勝つ為に戦う」のは非生産的だ。長い期間に渡って勝ち続けるのであれば、全ての試合を大会の決勝の如く戦うのは不可能だ。そんな事をしていたら基的な研究もできないし、特定状況下での変わった戦い方も知らずにいる事になる。そうして結局は次善の戦術に甘んずる。 研究 勝つ為の戦いと学ぶ為の戦いはしばしば異なる。今この試合の勝率を最大にするためには、新しい戦術や対策やパターンを試して無用な危険を冒す事はできない。回り道をせずに戦うのは試合に勝つ最善の道だ。だがそれは貴重な経験を得て戦術の引き出しを増やす機会を逸する道でもある。 ストリートファイターで簡単な例を挙げよう。コンマ数秒後に相手が超必殺技を出す事が読めたとする。このラウンドを取る一番賢明な方法は、そのままガードする事だ。だがそれでは学べない事もある。その必殺技はそも

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    mizchi 2015/03/27
  • 言語依存指標 | スパ帝国

    「洋ゲーやりたいけど英語わからん」という人に必要な語学力を伝える人向けガイド 「このゲームやりたいんだけどどれぐらい英語力あればいい?」という質問はたまに受ける。CivilizationでもEUでもFTLでもドイツ製ボードゲームでも何でもいいが、とにかく日語化されていないゲームは地球上に大量にある。そこで既存のプレイヤーが必要語学水準を伝えようとするのだが、その際に適切な指標が無い事がしばしば問題になる。「簡単な英語が分かれば大丈夫だよ」「高校生ぐらいのテキストが読めればいいんじゃないかな」…簡単ってどの程度だ? どの高校のどのテキストの水準だ? 「簡単」とか「TOEIC何点程度の単語」といった基準は恣意的で曖昧ゆえ役に立たぬ。そこであるゲームがどの程度の言語依存性を持っているかを0〜5の数値で機械的に表す指標を考案した。英語に限らず「その言語をどれだけ読めれば良いか」を伝える為のツール

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    mizchi 2014/12/05
    WoWとかのオンゲはクエストの受託会話自体はめんどいけどJournalは2のレベルまで要約されてるよね
  • Hearthstoneの戦い方(3) | スパ帝国

    CCG “Hearthstone” に関して始めて7週間ほどで気付いた事を記録。 Hearthstoneの戦い方(2) 構築戦ではデッキの組み方・選び方が重要で、実際のゲームが始まる前の「メタゲーム」でだいぶ戦績が変わる。この部分をどう攻略するかを考察してみよう。 Hearthstoneは(基的には)バランスの取れたゲームである。一方的に強いデッキとか常に有効な構成は存在しない。実戦レベルのデッキにはどれも得意な相手・苦手な相手があり、他のプレイヤーがどんな構成を使っているかによって有効な手立てが変わる。 例えば死んでもカードを引いたりシークレットを展開できるミニオンはダメージによる除去には強いが洗脳に弱い。強力な大型ミニオンは殴り合いに強いがポリモーフなどの単体除去に弱い。他のプレイヤーがどんなカードを多く運用しているかで、ミニオンも呪文も、そしてデッキもだいぶ戦術価値が上下する。 す

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    mizchi 2014/11/11
  • ゲームが強くなる100の知恵++ | スパ帝国

    月刊スパ帝国Vol.13の特集「ゲームが強くなる100の知恵」は非常に好評だった。そこで増補してKindleストアでも売ろうと試みたのだが、いざ登録する段になって彼らに独占配信権を与えないとまともな印税が支払われない事が明らかになり計画を放棄した。そのままお蔵入りにするのも忍びないので加筆分を掲載。なお記事内容は月刊スパ帝国Vol.21「ゲーム2.0」とリンクしている。 ゲームが強くなる100の知恵++ #101 自分自身を知る ここから加筆分である。ゲーマーはそれぞれゲームにどんな体験を求め、そこから何を学ぼうとするかによって様々なタイプに分かれる。筆者はこれを民族と呼んでいる。例えば細かい数値管理を通じて複雑な手順の遂行をマスターする性向を持った人々は管理民族だ。民族には大きく分けて意思決定・研究・管理・軍人・操作・ロボット・消費者の7つがあり、ゲームに対するアプローチが根的に違って

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    mizchi 2014/05/26
    意思決定民族だなぁ
  • Bitcoin騒動に関して | スパ帝国

    Bitcoinについて色々調べていたら急にニュースが来たので現状の考えを記録。 貨幣の成り立ちを説明する際にはしばしば牛の寓話が挿入される。君は牛を2頭持っている。1頭を手放して羊に換えたい。そこで羊が余っていて牛を欲しがっている人を捜して市場を練り歩く。しばらくの後にそれが不便だと気付き、まず牛を金に換えてから羊を買う様になる…… これは全く正しくない。人類の経済は物々交換で始まったのではない。経済システムは大まかに4種類あり、成立順に次の様になる: 1:貸し借りの経済 狩りで大きな獲物を捕って来たが自分達だけではべ切れない。そこで近隣の家族みんなを呼んで豪華な事を振る舞う。彼らはその恩義を覚えておいて、後で困った時に助けてくれる。即ち「これで貸し1つだよ」という経済である。共同体に存在する人間の数が少なければこれは十全に機能する。我々も知人に対して「この間お世話になったから」と手土

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    mizchi 2014/03/01
    実際掘ってみたらわかるけど電源代かかるし電気代払って一般的な通貨を電子のに変換してる気分になる。
  • 翻訳記事:勝つ為に戦う(16) | スパ帝国

    これは翻訳記事です 敵の詳細を観察する 敵の詳細を慎重に観察し、将来の手を予測する材料を集めよ。この点に関して、孫子の戦争に関する助言はマイク・カロのポーカーに関する助言によく似ている。 「狂気の天才」マイク・カロはポーカー指導者であり、ポーカー作家であり、世界最高水準のポーカープレイヤーである。彼はコンピュータ分析も利用するが、同時に心理学とギャンブル哲学においても有名だ。カロの著作「ポーカーは語る」と孫子兵法を比べてみよう。 弱いは強い、強いは弱い: 敵が近くにいて静かであれば、それは地の利を恃んでいる。遠くにいて挑発をして来れば、それは相手を進ませようとしている。容易に近づける場所に陣地を置いていれば、それは囮である。 -孫子兵法- ポーカーにおいて、手札が弱い時に強く振る舞うという誘惑は抗し難いものだ。逆、即ち強い時に弱い振りをするのも然り。 -マイク・カロ- 弱い振りをするのに夢

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    mizchi 2013/10/17
  • 翻訳記事:勝つ為に戦う(2) | スパ帝国

    これは翻訳記事です 概要 私がここにいるのは勝つ事を教えるためである。 「勝つ為に戦う」はあらゆる競技ゲームにおいて最も重要な、そして最も誤解されている概念である。皮肉な事に、これから述べる事を既に理解している人でなければ、それを信じる事はできないだろう。実際、もし書を過去の私に送りつけたら、その私自身これを理解しかねるに違いない。恐らくこの概念は経験を通じて習得するしか無いのだろう。それでも私は、読者のうちにこのから学んでくれる人がいる事を望んでいる。 人類は他者の経験から学ぶという独自の能力を持ちながら、それを嫌がる事においても一流である。 —ダグラス・アダムズ「これが見納め」 なぜゲームに勝つべきか ゼロサム競技ゲームの偉大さとは、成功の度合いを計る客観的な基準を提供してくれる事だ。最強を目指すならば自己研鑽の長い道のりを歩まねばならない。その途上、より多く勝つ事ができる様になれ

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    mizchi 2013/02/21
  • 翻訳記事:ボードゲームメカニクス48 | スパ帝国

    これは翻訳記事です 原文:http://boardgamegeek.com/browse/boardgamemechanic 動作 : Acting 身振りやものまねを通じて他のプレイヤーとコミュニケーションを取るゲーム。”Charades“は恐らくその代表である。チームの1人が非言語コミュニケーションによって他のメンバーに手がかりを与え、答えを探させる。 アクションポイント : Action Point Allowance ラウンドごとに各プレイヤーに決まった量のアクションポイントが割り当てられる。このポイントを消費して種々な行動ができる。残りポイントが無くなって行動を「買う」事ができなくなったら手番の終わり。この方式はプレイヤーに大きな行動選択の自由を与える。”Pandemic“はこのメカニクスを採用した一例である。プレイヤーには4のアクションポイントが与えられ、これを消費して移動・航

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    mizchi 2013/01/21
  • iPadはファミコンの末裔 | スパ帝国

    我が家のiPadは随分前からボードゲーム専用機と化している。”Le Havre”や”Risk”のiOS版は実に快適で、最早実物で同じ物をやろうとは決して思わぬ。カードやチップを使うと30分かかるセットアップが一瞬で済むというのは抗し難い魅力だ。ボードゲーム会には必ず持って行かねばならぬ。 かようにゲーム機と化したiPadであるが、そもそもこれとゲーム機とは最初から同じ製品カテゴリだったのではないか。iPadは簡易コンピュータである。PCに比べると入出力機構や処理性能がだいぶ削られている。その分安かったり手軽だったり仕様の種類が限られていてソフト開発の負担が少なかったりと様々な利点がある。 ATARI2600やファミコンも言うなれば簡易コンピュータである。コンピュータから機能の大部分を削ぎ落とし、当にやりたい事だけを残したらそれがゲームだった。こう理解する方が物事の筋道が通る。ゲーム機とい

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    mizchi 2013/01/10
  • 翻訳記事:なぜゲームを作るのか | スパ帝国

    これは翻訳記事です 2007/9/27 Soren Johnson Braidというサイトを運営するジョナサン・ブロウ氏が、最近オーストラリアのFreePlayカンファレンスで面白い事を言っていた。(動画) どうして我々ゲーム開発者は「何故ゲームを作るんだろう」と自分自身に問いかけないのか。出て来る疑問詞は「どうやって」ばかり。「どうやってゲーム業界に入ろう?」「どうやって販売元にこのゲームを見てもらおう?」という具合だと言う。面白い視点である。そして私は確信するのだが、殆どの開発者はこういう問いかけをした事が無い筈だ。 数ヶ月前、Spore開発チームの仲間であるクリス・ヘッカーが同じ様な質問を私にした。君のゲームデザインにはテーマがあるのか。何かプレイヤーに対して伝えたい考えや経験があるのか。私の答えは、同時にジョナサンの質問への答えでもある。即ち、私はプレイヤーに「常に正しい選択肢は無

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    mizchi 2012/10/12
  • スパ帝国 | 小さく完璧なゲームを作ろう

    間違いやすい部分 翡翠の商人は次の様に進行する。 一番少ない枚数を言った人が選んで取る 残りの人で再度競りを行う(取った人の次から競り開始) 全員が一回ずつ取ったらラウンド終了 最初に枚数で順位付けして取るのでなく1人取るごとにまた一から枚数を競ってね! Tweet ゲーム内の要素は何を表しているか ナショナルエコノミーは元々マクロ経済シミュレータとしてプロトタイプを組み、冗長な要素を削ぎ落としてゲームに落とし込んだ製品である。つまり削られる前の「リアル」な状態があったわけで、そこでは現実の経済とゲーム内要素が一対一対応していた。 もちろんゲームは教材でもシミュレータでもない。そしてデザイナーはゲームの物語についての最終決定権がない。プレイヤーが「これはこういう世界なんだ!」と感じた意味こそが最終稿であり、デザイナーの考えた物語は発表した瞬間に脇に追いやられる。あらゆる分野のあらゆる作品が

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    mizchi 2011/09/11
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