写真フィルムで圧倒的なシェアを誇ったアメリカの企業イーストマン・コダックがデジタルカメラの普及に押され経営破綻してから10年が経過した。しかし、1975年に世界初のデジカメを開発したのもコダックだった。発明したのは当時入社間もない若手技術者だったスティーブ・サッソンさん(71)。このほどインタビューに応じ「前代未聞の試みだった。社内からの反発は想像以上だった」と当時を振り返った。(共同通信=隈本友祐) ▽「テレビに映った写真を見たい人いない」 サッソンさんは73年にコダックに入社。すぐに上司から画像を電気信号に変換する電荷結合素子(CCD)の研究を提案された。未知の分野だったが、1年ほどでCCDを使った画像のデジタル記録に成功し、世界初の「デジタルカメラ」が誕生した。 フロッピーディスクも普及していない時代で、記録媒体として使ったのはカセットテープだ。トースターほどの大きさの箱にレンズや記