評論家、東浩紀氏(36)の新著『ゲーム的リアリズムの誕生』(講談社新書)が話題を呼んでいる。ライトノベルや美少女ゲームの分析を通して、現代社会における物語性の解体と新たなリアリズムの可能性について刺激的に論じた著者にインタビューした。(松本良一) 2001年に話題になった『動物化するポストモダン』(同)で、東氏は、個々の物語よりキャラクター(登場人物)を重視し、それを作品横断的な存在として消費する「オタク系」文化の特徴を読み解いた。本書はその続編。 「そのころからオタク的想像力の中心が映像から文字に移ってきていると感じていました。良質なライトノベルの中には、近代が生んだ自然主義的リアリズムに代わる新しいリアリズムが生まれつつあります」 ゲーム的リアリズムとは、ゲームのキャラクターのように、ゲームをリセットすることで何度でも世界を生き直すことができるようなリアリズムを指す。 本書では、いわゆ