「よもや、探偵さんを乗せてフライトするとは思わなかったよ」 「私も、まさかUFOの殺人動機を調べることになるとは、夢にも」 謎の飛行物体が軌道上に現れてから5ヶ月がたっていた。 出現から4週間、あらゆる通信に応えない飛行物体に対し、最初の接触を試みたのは国際宇宙ステーションの軌道ボートだった。 そして。 物体に接舷しようとボートが減速、停止した瞬間にそれは起こった。 ボートの一部だけを残して、ボート本体が消失したのだ。 観測チームはパニックに陥った。 その後、ステーションから報告が入った。事件とほぼ同時に船体の一部が切り取られたボートがステーションに出現。内部からは、船長以下3名が体の一部を切断されて死体で発見されたのだった。 その後、調査隊が二度接触を試みたが、いずれも接舷直前に切断、破損した船体と死体が基地に瞬間転送された。 「で、探偵さん。本当に大丈夫なのかい? おれは死にたくないぜ