4月7日発売の月刊『創』(つくる)5・6月合併号は恒例のマンガ・アニメ特集だ。もう20年以上続けてこの時期にマンガ特集を組んでいるので、近年は海外の研究者などからも問い合わせが入る。マンガは言うまでもなく今や大手出版社の屋台骨を支えており、しかも昨年前半は海賊版問題もあって落ち込みを見せたのだが、後半から大きく盛り返している。しかもこの半年ほど、テレビアニメ化によって紙の本も大きく売り伸ばすという、かつての成功方程式が復活しつつあるのだ。大手出版社はいずれも大きく胸をなでおろしているところだ。 ただ、そういう状況の中で注目されているのは、昨年来、マンガ界の大変貌をうかがわせるような事例が相次いでいることだ。キーワードはやはりデジタル化だと思われるのだが、どういう状況が進行しつつあるのか少し紹介しておこう。 『月刊少年シリウス』快進撃の背景にあるもの まず昨年来、業界で大きな話題なのは、講談