私は“子どもの本の探偵”でデビューしました。 小さいときは本の題名とか作者名とかを意識しないので、大人になってもう一度あの本読みたいな、と思っても探しだせない……それを、覚えている本のストーリーの断片からお探ししましょう、というのが“子どもの本の探偵”です(いまでもやってます。ボランティアですが)。 なぜそんなことを始めたのか、というと、子どもの本は唯一書き手と読み手の年齢が違うジャンルなので、小さい人にはいったい活字のどこが、どんなふうに記憶に残るのか……を知りたいと思ったからですが、いくつか予想もしていなかった事態が起きました。 そのうちのひとつが、30代、40代のかたからの依頼の95パーセントくらいが、自分が読んで感動した本を子どもに読ませたいから探してほしい、だったことです。 これには驚いた……。 というのは、私自身は自分が読んで面白かった本を人にも読んでもらいたいと思っ
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