ライトノベルのどくしょかんそうぶん 文=村上裕一 今年の夏の特別企画はWEBスナイパーの豪華著者陣による、大人の研鑽に必要な名作・傑作のプレゼン祭り! 夏休みのまとまった時間に改めて、あるいはもう一度触れておきたい作品群をジャンル不問で紹介していただきます。第一弾は、批評家・村上裕一さんが若き日に鮮烈な印象を受け、深く読み込んだライトノベル四作を挙げてその魅力をたっぷりと紹介。今も氏を魅了してやまないという、思い出の作品たちに愛を込めて――。 小学生の頃、夏休みと冬休みには読書感想文が課されていて、たかだか二枚の原稿用紙を埋めるために、夏休みの終わりの8月20日前後は毎年四苦八苦していたものだった。文筆業をするようになった今となっては不思議な話だが、当時僕は読書感想文というやつが嫌いだった。というか今でも嫌いである。何を書けばいいのか分からなかったからだ。実際何を書いていたのだろうか。そも