ココロ社です。 今回は、元号が昭和から平成に変わったころの話。 あのとき、『一杯のかけそば』という童話が空前のブームになっていた。 話のあらすじはこうだ。 ある年の大晦日、子供二人連れの母親がそば屋を訪れ、お金がないがどうしても食べたいと、一杯だけかけそばを注文し、三人で分けあって食べた。 その年からしばらく、大晦日には三人で来て、一杯のかけそばを注文して食べていたが、ある年からぱったりと来なくなった。そば屋は、三人がまたいつか来てくれると思って何年も待っていた。 来なくなってから10年以上経ったある年の大晦日に、あのときの三人がやってきた。子どもたちは立派に成長していた。聞くと、それぞれ銀行員と医者になり、この蕎麦屋でかけそばを食べるためにわざわざ集まったという。三人は三杯のかけそばを頼んでおいしく食べたのだった。 若い人には信じられないかもしれないが、平成になりたてのころには、この作り
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