「大学の実力」調査によると、学生の意欲をかき立てるため、多くの大学が討論を中心にしたり、グループ学習を盛りこんだりと、授業の形そのものを工夫する。 同時に広がるのが機器や技術の活用だ。その一つがスライド式の発表用ソフト「パワーポイント」。 写真やグラフ、動画も盛りこめ、便利な教材として使われるが、首をかしげたくなる場面にしばしば出くわす。誤字や脱字、要領を得ない文章を、画面上でよく目にするからだ。ある国立大学での授業では、教員が作った教材に、「市場(史上)最高」「気候(機構)改革」など、明らかな変換ミスが続々と。 こうしたケースが例外というわけではないようで、「ソフト使用を禁止しようかと思う」とある国立大学の学長。毎回、画面を印刷した資料が配られるため、学生がノートをとらないことも心配だという。ある私立大学長は「ビジネスの現場で、誤字のある資料は相手にされないのに……」と学生への悪影響を懸
最近、産業技術大学院大学の授業にかかわったこともあり、大学の社会的な役割などをがらにもなく考える機会がある。素人があれやこれや考えたことなので、専門家の皆様の生暖かいコメントご意見などをいただきたく。 大学の主な機能はいうまでもなく、教育と研究だ。研究者を育成するというのは、まあ、研究と言う名の教育みたいなものかと思う。企業のOJTと似ている。教授が弟子の学生に課題を与えて研究手法を学ばせるという意味で教育であり、研究でもある。 それはともかく、多くの学生に取っての大学の価値は、1)教育を受けることと、2)大学卒の資格を得ることである。 教育の機能とは何か。 今まで知らなかったことを知る。すなわち知識の獲得なのか。出来なかったことが出来るようになる。すなわちスキルの獲得なのか。 学生が教育機関に時間的なコスト(数年間)と金銭的なコスト(授業料その他)を払うのはなぜなのか? 文部科学省が認定
東京大学は2月18日、米国発の大規模公開オンライン講座(MOOC:Massive Open Online Course)「edX」に今年秋から参加し、英語でのオリジナル講義を無料公開すると発表した。昨年秋から実施している米「Coursera」での公開と合わせ、2つのプラットフォームで教育のオープン化に取り組んでいく。 edXは、米ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)が共同で設立した教育サービス。オープンソースのプラットフォームで非営利に運営されているのが特徴で、登録者数は世界196カ国以上から約200万人にのぼる。両大学のほか、インド工科大学、北京大学、ソウル大学など世界のトップ大学31校が参加し、オンライン学習向けのオリジナル講義を無料公開しており、日本からは京都大学に続き2校目となる。 今秋に開講予定の第1弾は、副学長の吉見俊哉教授による「Visualizing Post
日本の公立学校の教員は、とんでもなく忙しい。毎日朝7時に出勤し、夜は24時帰宅、土日も部活動などで出勤があるなんて聞くと、「どこのブラック企業ですか」と聞きたくなるが、これは別にそれほど珍しい例でもない。詳しい統計データは例えば以下のサイトあたりに譲るとして、公立学校の教員が忙しいという事実に異論を唱える人はあまりいないだろう。 データえっせい: 教員の多忙の原因 この「教員の多忙化問題」は、教育問題が論じられる時には、よくセットになって出てくる。例えば、学校で「いじめ」が起きる原因の1つとして、教員が多忙すぎて生徒一人ひとりに目が行き届いてないからだと言われることがある。指導力不足教員が問題になることがあるが、これだってそもそも授業に関係しない業務が多すぎて、それで授業の準備時間が十分に取れないからだ、と考えることもできる。「教員の多忙化」は、多くの教育問題の根っこに潜む解決しなければな
大学でbe動詞教える授業、文科省が改善要求 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) こういう大学の授業のレベルの問題は時々話題になります。僕自身、以前も、twitterでとある大学のシラバスの件で議論になり、「あのシラバスの意味するもの」というまとめを作っていただいたこともあります。 いわゆる初等・中等レベルの内容が大学の授業で行われていることについて、あらためて考えてみたいと思います。こういう問題は、わりと議論が沸騰しがちなので、今回は話を整理したいと思います。 まず、大前提として、50%をこえる進学率と、推薦入試等による大学の青田買いの結果、低学力学生が大学に入学しているのは事実です。それは、大学の責任でもありますが、そういう学生が大学教育を必要としている、もっと言えば、大学進学以外の選択肢がない、というのも、これまた日本の現実なのです。別の角度から見れば、かつてだと大
こんな記事が出て、 ヤマザキ学園大(東京都)では、必修科目の英語で、be動詞の使い方などを教える授業が行われており、同省は大学教育にふさわしい水準に改めるよう求めた。 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140212-OYT1T01253.htm 大学教育関係者から色々ツッコミが入っております。 僕も何か書こうかなと思ったのですが、下記のエントリに 大学でbe動詞を教える授業のレベルは低いのか? - とある大学教員ブログ 簡潔にまとめられていましたので、ここではちょっとだけ。 大学では求められるレベルや目的が新しくなる 大学の授業におけるレポートの返却・添削・フィードバックについて少しだけ - 思索の海 にも書いたように、僕は今の大学で日本語の言語能力、特に文章表現に関する授業を複数担当しています。 そこで授業の最初に必ず話をすることの一つに、
スマホやタブレットからも学びやすく! ビジネススキルから教養まで幅広いジャンルの講座がより身近に。 通勤・通学などスキマ時間での学習にぜひご利用ください。 ※一部の容量が大きい講座は、アプリでの表示に時間がかかる場合があります。 ※有料講座はアプリ非対応です。
NTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアは2月3日、日本初の大規模オープンオンライン講座(MOOC:Massive Open Online Course)サイト「gacco」を公開し、受講生の募集を始めた。大学の教授陣による本格的な講義を無料で受講できる。講座は4月1日から順次開講する。 日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)の公認を受け開始する日本初のMOOCサービス。通常の学内講義と異なるオンライン学習に最適化したオリジナル講義を配信していく。 単なる動画コンテンツの掲載・配信ではなく、4週間の教育コースとしてパッケージされているため、受講生は10分程度の講義動画を週10本前後視聴し、ディスカッションやレポート、テストなどの課題に取り組む必要がある。世界初の試みとして、一部講義ではオンラインで学習した内容をもとに対面講義の機会を有料で設ける「反転学習コース」も提供する。 一
前回の記事で、退学問題を事例風に紹介しました。 実は、前回紹介した表には続きがあります。 1学年あたりの定員が500名のA大学では、退学率が3.0%です。すると、4年生の段階では443名となり、卒業時には(少なく見積もって)留年が1割出るとして398名になります。4年間で退学者は累計57名です。結局、入学者のほぼ8割(79.9%)が卒業することになります。逆に言えば、4年間で8割しか卒業できないともいえるでしょう。 さて、問題はここからです。 まず、A大学からは大学院進学者が、少し少ないかもしれませんが、5%いるとします。同じ大学の大学院や他大学の大学院に進学する人もいます。そうすると進学者は20名です。 残りは378名です。しかしこのうち全員が就職活動をするわけではありません。実は就職希望者は295名しかいません。実に2割以上の80名が就職を希望していないことになっているのです。その内訳
大学の退学者問題は、その延長線上に就職問題ともつながってくるわけですが、なかなか大学関係者以外には理解し難い問題かもしれません。なにせ、肝心の大学関係者で、退学者問題・就職問題をきちんと理解している人が少ないのが現状です。 そこで、かんたんなシミュレーションをしてみましょう。ここに標準的な地方都市にある私大文系のA大学があったとします。A大学は上位でも下位でもないごくごく典型的な大学です。 A大学の1学年あたりの定員は500名です。おそらく2学部程度の非常に小規模な大学です。この大学の退学率は、私大文系の平均的より少し良い3.0%としましょう。すると左の図のように、毎年、この学年からだいたい15人ずつ退学していきます。4年の4月には1割以上減っています。さらに、留年が(少なく見積もって)1割出るとして、卒業時には400名以下に減っています。つまり入学者のうち4年で順調に卒業するのは8割だと
大学中退:文科省が全国調査へ 年6万人以上、防止策検討(毎日新聞 2014年01月31日) というニュースが話題になっています。 よく大学の就職率が話題になりますが、大学関係者にとっては、実は「退学率」こそが深刻な課題として受け止められていることが多いことでしょう。中堅以下の多くの大学では、2000年前後から退学率が上昇したという経験をしているはずです。進学率40%を超え、これまで大学が想定していたよりもさらに多様な学生が入学するようになり、大きなミスマッチが顕在化した時期です。初年次教育という考え方もほとんどなく、多くの大学は、退学問題に手をこまねいていたのではないかと思います。 すぐに、退学問題は大学経営的な視点から問題だと考えられるようになりました。それはそうです。たとえば毎年3%の学生が退学していけば(これは現在の平均的な私大の状況です)、4年間で1割以上の学生が消えていくことにな
中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 大学院・中原ゼミは、テレビ会議を用いて、遠隔地から、様々な中原の共同研究者の方が参加してくれています(遠いときには九州から! 僕は中原ゼミを、「僕と研究上の接点をもつ人々の緩やかな共同体」と定義しています。ですので、いくつかの条件を設けつつも、共同研究者にはゼミを公開しています)。 昨日の大学院ゼミでは、駒場キャンパス・教養学部特任助教の中澤明子さんが、「Problem based learning)で「黙っている学習者」は学んでいないのか?(Remedios, Clarke and Hawthorne(2008)」という英語文献を紹介してくれました。お疲れさまです!&ありがとうございます。 ▼ 2000年以降、グ
中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 仕事柄、さまざまな業種の人材育成に関するお話を伺うことがあります。先だっては、航空管制官という仕事の人材開発に関するご相談を受けました。 航空関係ですと、これまで、C.A.(キャビンアテンダント)、パイロットなどのお仕事に関しては、伺ったことがあるのですが、航空管制官ははじめてのことでしたので、非常に興味深くお話をうかがいました。 (僕は航空業務には全くのドシロウトです。下記の文章はヒアリング結果から書いたものですので、間違いがあるかもしれません。どうかお許し下さい) ▼ 航空管制官は、言うまでもなく、航空機を安全に、秩序よく、効率的に誘導するお仕事(公務員)です。 そのお仕事を達成するためには、語学の知識はもちろ
武雄市は28日、4月から市内11小学校の全児童に無償貸与するタブレット端末の機種を発表した。 端末は中国製のKEIANで、ディスプレーの大きさは7インチ、基本ソフト(OS)はアンドロイド。ソフトバンクグループの教育事業会社エデュアスと契約し、端末3153台と11校分のシステムサーバー、学習支援システムを購入する。総予算は約1億2298万円。2月4日の臨時市議会に提案する。 市では元小学校長や保護者代表ら8人でつくる市小中学校タブレット端末導入選定委員会を昨年暮れから3回開催。企業2社からの提案を受けた上で、端末1台あたりの価格が約1万8千円と安く、また、反転授業を実施するのに使い勝手がいい機種として総合的に判断して決めたという。
佐賀県武雄市は28日、4月から市内の小学校の生徒に1人1台ずつ貸与するタブレット端末の機種を発表した。 プロポーザルの結果、恵安の7インチタブレット「KEIAN M716-PS」が、軽量で持ち運びやすく、反転授業で使用する動画などのアプリケーションの動作にも優れていたことから選ばれた。 タブレット端末は、武雄市の特別仕様のモデルで、OSはAndoroid4.2、ストレージは16GBで、保護カバーや保護フィルムを装着している。 3月までに小学校に配備し、4月からタブレットを使った学習に取り組むという。 関連URL 武雄市
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く