ブックマーク / ascii.jp (85)

  • COM(Component Object Model)は古い技術だが、いまだに現役 あらためて解説する (1/2)

    前回解説したプレビューハンドラなど(「エクスプローラーのプレビューウィンドウについて解説する」)、エクスプローラーの拡張機能は、COM(Component Object Model)を使って作られている。 COMは、すでにWindowsでは主流ではなく、後継として.NET Frameworkが登場している。しかし、COMは廃止されたわけではなく、いまだにWindowsのさまざまな場所で使われ続けている。というのも、Windows XPまでは、WindowsのOSの主要オブジェクト技術であり、Windows自身がCOMで構築されていたと言っていいほど利用されていたからである。 エクスプローラーや関連技術でいまだにCOMが使われているのは、その名残でもある。長らく続けてきた連載だが、COMについては解説するタイミングを失っていた。ちょうどいい機会なので、今回はCOMを簡単に解説してみたい。

    COM(Component Object Model)は古い技術だが、いまだに現役 あらためて解説する (1/2)
  • マイクロソフトのオープンソースソフトウェアを整理する (1/2)

    21世紀に入ってから、マイクロソフトはオープンソースソフトウェア(以下、OSS)に関わりを始めている。以前は距離を置いていたが、最近ではWindowsに標準搭載されるアプリケーションにもオープンソースで開発されたものが含まれるようになった。たとえば、Windows 11なら、「電卓」や「ターミナル」がオープンソースのプロジェクトで開発されたものだ。 マイクロソフトのOSSは現在ではかなりの数になる。すべてではないが、主要なものはマイクロソフトのサイト(https://opensource.microsoft.com/)に記事があるほか、多くのOSSがGitHub(https://github.com/)にある。GitHubは2018年にマイクロソフトに買収された。 GitHubの各プロジェクトのページにRelasesページがある場合、実行可能なパッケージファイルを直接ダウンロードできる。確

    マイクロソフトのオープンソースソフトウェアを整理する (1/2)
  • Windowsに標準で含まれているインボックスドライバーの仕組み (1/2)

    Windowsには、インボックス(inbox)ドライバーと呼ばれる標準的なドライバーが含まれており、多くの場合ではユーザーが別途用意することなく、デバイスのインストールが可能だ。今回は、このインボックスドライバーとドライバーインストールの仕組みについて解説する。 コントロールパネルからデバイスマネージャーを開き、デバイスのプロパティダイアログにある「詳細」タブで、ハードウェアIDを選択すると、該当のデバイスのハードウェアIDが表示できる。これを使ってINFファイルを検索することが可能だ 現状では、第12世代のCPUを搭載したマザーボードにWindows 10をインストールしようとすると、ドライバーをダウンロードしておく必要がある。しかし、Windows 11のインストーラーではこうした作業は不要だ。これは、インストーラーに含まれるインボックスドライバーが更新され、第12世代のマザーボードに

    Windowsに標準で含まれているインボックスドライバーの仕組み (1/2)
  • Windowsのレジストリなどに見られるGUIDとは? (1/2)

    Windowsのレジストリなどを見ると、波カッコ「{}」に囲まれた16進数の羅列を見ることがある。これをGUID(Globally Unique Identifier)という。GUIDは、Windowsでユニークな識別子として使われる128bit(16バイト)の数値である。GUIDは、WindowsAPIで作成することができ、他のマシンで作られたGUIDであっても、衝突することが極めてまれで、事実上起こらないと考えてもよいレベルのものだ。 Windows Terminalではプロファイルの識別にGUIDを利用している。GUIDは多くの場合、波カッコに囲まれた5つの16進数として表示される Windowsでは、オブジェクトやクラスの定義などに使われる。数値なので比較が容易で検索処理などを高速化できる。 このGUIDは、UUIDと呼ばれる識別子の一種だ。Windowsでは、UUIDの一部をG

    Windowsのレジストリなどに見られるGUIDとは? (1/2)
  • DNSの設定ミスで大規模障害、会合のオンライン化など2021年の「ドメイン名ニュース」 (1/2)

    2021年12月15日、JPドメイン名を管理運用する「株式会社日レジストリサービス(JPRS)」が、恒例となっている2021年度版の「ドメイン名重要ニュース」を発表した。JPRSのドメインネームニュース担当者が選んだ今年の話題とは? 1位:DNSの運用ミスによる大手SNSなどで大規模障害が発生 今年の1位に選ばれたのは、SlackやFacebook(Instagram、Facebook Messenger、WhatsApp、Oculusを含む)という世界的なサービスで相次いだDNS障害の話題である。読者の中にも影響を受けた方が多いのではないだろうか。かく言う筆者も、それらの影響を受けた一人である。 Slackのケースにはいくつかの段階があるが、同社の公式ブログ[*1]を見る限り、いったん有効にしたslack.comゾーンのDNSSECを解除する際の判断にミスがあったようである。通常、DN

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  • この電卓からマイクロプロセッサは始まったんだよ! BUSICOM 141-PF

    1972年9月、株式会社リコーのある取締役のところに国際電話が入った。電話をかけたのはアメリカの半導体メーカー、インテル社の社長で、半導体の神様といわれたロバート・ノイス。そんな人物からの突然の電話に取締役は驚いたが、その用件にはさらに驚いた。 「嶋という技術者をうちの会社にくれないか」 ノイスのあまりにも異例の要求に、取締役は、最近入社したばかりの嶋という若者を呼んで問い詰めた。 「いったい君は何者なんだ?」 嶋正利。71年にインテル社から発表されたマイクロプロセッサ「4004」を弱冠28歳で開発した人物である。 マイクロプロセッサとは、ふだんわれわれの使っているパソコンの心臓部に使われているチップのこと。心臓部はCPU(Central Processing Unit)といわれ、一般にはプロセッサと称されるが、パソコンの場合は一つのチップに集約されている場合が多く、特にマイクロプロセッサ

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  • Ryzen5周年記念企画 Ryzen誕生から5年の歩みを振り返る (1/4)

    2016年に発表されたRyzen Zenコアの開発は2012年に始まっていた さて、5周年と言いながらいきなり話は2014年まで遡る。この2014年の5月、AMDは“AMD Core Innovation Update”というイベントを開催、Ambidextrous Computingなる新しい概念を発表した。この時点でのAMDCEOはまだ前任者のRory Read氏で、Lisa Su氏は確かまだCOOだったと記憶している。またイベントそのものもオンラインで開催されていた。 発音は“アンビィデェクストゥラァス”。意味は「両手利き」や「非常に器用な」だが、「二心のある」「二枚舌」「ずるい」といった意味もあるところが深い 2014年のAMDGPUこそ強く、またXbox One/PS4という2大ゲーム機へのSoC提供を決めたことで会社としての存続は維持されそうと見られていたものの、CPUのメ

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  • WindowsのコマンドでLAN内のデバイスを探す (1/2)

    自宅のネットワークなどで、接続しているPCを全部見つけたいことがある。エクスプローラーのネットワークから見つけることもできるが、スクリプトなどで処理したい場合に手入力するのは面倒だ。そんなときには、PowerShellのGet-NetNeighborコマンドが利用できる。 PowerShellのGet-NetNeighborコマンドは、ネットワーク内の通信により得たIPアドレスを出力できる。ただし、大量の出力があるので、不要なものを排除する必要がある Get-NetNeighborでアクセス可能なIPアドレスを探す LAN内のネットワークノードを探すのは面倒な処理だ。たとえば、クラスCのプライベートネットワークならノード数は多くても254個なので、すべてのアドレスに対して、Pingコマンドを実行して応答の有無でノードの存在を確認することも不可能ではない。しかし、実際にスクリプトを書くとなる

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  • あらためて「.NET」について整理する (1/2)

    そのときの文脈から何を指すか判断する必要がある 「.NET」という言葉 前回Project Reunionの話をしたので(「UWPとデスクトップアプリの統合を試みる「Project Reunion」のプレビュー版が登場する」)、ここであらためて「.NET」についてまとめておきたい。 .NET Coreのマスコット「dotnet bot」。ちょっと「かわいさ」が足りない感じだが、githubの登録ユーザーでコードをコミットしている(https://github.com/dotnet-bot より引用) Windows関係で「.NETなんとか」という言葉を聞いたことがあるだろう。「.NET」とは、Microsoftが開発・提唱した「アプリケーションの実行環境」である。実行環境とは少し抽象的だが、API(Application Programming Interface)やライブラリなどと呼ばれ

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  • 非エンジニアが定型業務を自動化する ~Power Automate超入門編~

    はじめに こんにちは。最近は在宅勤務が多く、我が家の自動化部隊・ルンバ氏を動かすタイミングを逃し続けているkameです。今回は誰でも日常業務に取り入れやすい軽~~い自動化ツールの紹介をしていこうと思います。 今回自動化したい定型業務 現在私は週2回社内の会議の運営をしており、それぞれ開催前に毎回下記のタスクをこなしています。 ・SharePointに会議フォルダを作成 ・会議フォルダ内に発表用パワーポイントのテンプレをコピー ・Slackで開催日時・開催場所を参加者に連絡 やることが…(地味に)多い…!! SharePoint内のファイルのコピペ、めちゃくちゃ面倒に感じるのは私だけでしょうか。全部やっても長くて15分。しかし自分にとって面倒な作業なので、結構ストレスがかかります。 Power Automateで自動化してみた ということで、自動化してみました。今回はSharePointやS

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  • 天才プログラマー・オードリーさんがたった200行で効果的なアプリを作れる秘訣

    天才プログラマー・オードリーさんがたった200行で効果的なアプリを作れる秘訣 オードリー・タン台湾デジタル大臣との対話 - 未曾有の危機に幅広く使える未来思考(後編) 2021年1月19日、『コロナ vs. AI 最新テクノロジーで感染症に挑む』(翔泳社刊)が発売されました。医師の起業家からAIの研究者・ITの先端技術コンサルタントによって執筆されており、コロナ対抗策としてのAIの社会実装事例・AI研究事例・医療研究事例をわかりやすくまとめられています。今回書の発売を記念して、収録されている台湾のデジタル大臣、オードリー・タンさんへの特別インタビューから、一部内容をご紹介します。株式会社キアラ 代表取締役の石井 大輔氏による寄稿です。(前編はこちら)。 石井:今回の私の質問は少し技術的なことです。オードリーさんは天才プログラマーとして有名です。GitLab Taiwanのエンジニア友人

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  • 【格安スマホまとめ】「20GB+2980円」への対抗が困難なMVNOの格安SIM、総務省に緊急措置を求める

    主要格安SIMの料金表(今回はデータSIM)とともに、格安SIMSIMフリースマホ関連の1週間の動きをまとめてお届けしている連載。先週は、MVNOの業界団体が、MNOの新料金への対抗が困難として、公正な競争のための緊急措置が必要だと総務省に要望した。 MVNOは現行の接続料ではMNOの新料金に対抗が困難 総務省に対して、緊急措置の実施を求める 主要3キャリアが3月開始を予定している「20GB+2980円」の新料金プラン。月20GBプランはMVNOの格安SIMではあまり多くないが、基的には格安SIMでの料金水準を大きく下回っている。また、KDDIの“サブブランド”であるUQ mobileも値下げを実施。最安の「くりこしプランS」は、3GB(超過時は300kbps)で月1480円と、やはり多くの格安SIMより安価な料金設定となっている。 そんな中、通信事業者の業界団体である一般社団法人テ

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  • オンラインバンキングなどで利用されているセキュリティトークンのしくみを解説

    セキュリティトークンとは セキュリティトークンとはワンタイムパスワードを発行するための小さなハードウェアで、ハードウェアトークンと呼ばれることもある。ワンタイムパスワードにも、いくつかの方式があるが、セキュリティトークンで発行されるワンタイムパスワードは、時刻同期方式(詳細は後述)と呼ばれる方式が主に採用されている。セキュリティトークンのメリットは「トークンごとに異なる情報を保持している」ということであり、セキュリティトークンの所有という行為がセキュリティの強化を担保することになる。このような方式は「所有認証」と呼ばれる。 ワンタイムパスワードとは、その名の通り、毎回あるいは一定時間ごとに変更されるパスワードを使うことで、セキュリティを高める仕組みである。セキュリティトークンを使わずとも、メールや電話でワンタイムパスワードを受け取るという方法もある。しかし、サービスにログインしようとするた

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  • x86を高速化する切り札技術「命令変換」の仕組み (1/4)

    x86に限ってだが、アウトオブオーダーで欠かせないのが命令変換の仕組みである。インテルの場合は「μOp」(マイクロオプ)、AMD(というか旧NexGen)は当初「RISC86」と称し、その後「Op」、最終的には「microOp」と表記は変わっているが、要するにx86命令を「RISC風の」内部命令に変換する仕組みである。この内部命令が、μOpとかmicroOpなどと呼ばれるわけだ。 ここでちょっと寄り道して、RISCとCISCの話をしておくことにする。例えばx86という命令はCISCの代表例であるが、そもそもRISCとCISCの違いとは? というところを簡単に説明しておこう。 RISCとCISCの違いをざっとおさらい RISCという概念を、それと明確には知らずに搭載したCPUはかなり昔からある※1。だが、RISCという概念が明確になったのは、1981年にデビッド・パターソン(David Pa

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    mkimakima
    mkimakima 2020/08/19
  • 「申請から最短6日で振込」の給付金システムを八尾市はいかにして作ったのか (1/2)

    新型コロナウイルスで注目を集める自治体の対応。大阪府の八尾市が実現したのは、市独自の事業者サポート給金を申請から最短6日で振り込むというシステムだ。約2週間という短期間リリースの裏側には、システムを支えるサイボウズのkintoneと開発パートナーの努力、そして郵送通知やハンコを省いた八尾市の「業務ハック力」があった。 手作業で処理することは半ば覚悟を決めていた 大阪府八尾市は、新型コロナウイルスの感染拡大で苦境に陥っている工場や店舗など、中小零細の事業者を支援するために、市独自の「事業者サポート給付金」の支給を開始した。これは、従業員数5人以下で、今年4、5、6月のいずれかの月の売り上げが、前年同月と比べて15%以上、50%未満の減少率の事業者を対象に、10万円を支給するというものだ。 売上減少率が50%以上の場合は、国からの給付金が出るが、そこまで落ち込まなかった事業者は、国や大阪府の休

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  • 「みんなジョブズにだまされている」? エッジ/フォグの進化が必然である理由 (1/2)

    さくらインターネット研究所では、10年後の未来を見据えた研究ビジョンとして「超個体型データセンター(Superorganism Data Center)」のコンセプトを掲げている。各研究員がそれぞれの専門領域からこの世界に向けてアプローチする中で、分散システム(エッジ/フォグコンピューティング)領域の研究を進めるのが上級研究員の菊地俊介氏だ。 さまざまな業界におけるIoT活用や5Gサービス開始の動きもあり、市場ではさまざまなエッジコンピューティングのソリューションが出始めている。しかし菊地氏は、現在実用化されているエッジコンピューティングと超個体型データセンターの世界の間には「まだまだ大きなギャップがある」と指摘する。“理想の世界”を実現するためには、これから何が必要なのだろうか。 エッジとフォグの大きな違いは“タテ構造/ヨコのつながり” 菊地氏は早稲田大学大学院 理工学研究科 電子・情報

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  • 「データセンターから生きて出ることはない」Azure廃棄ディスクの行方を追ってみた

    はじめに 堀ノ内さんのアドベントカレンダー記事で触れられていた「廃棄ディスク問題」が気になって自分でも調査+問い合わせしたくなっちゃった佐藤です。 堀ノ内さんのアドベントカレンダー記事では最近話題になった「神奈川のデータ漏洩問題」に触れて、MicrosoftのHPなどからMicrosoftのデータ破棄の考え・人的リスクに対する対応などがまとめられています。 そこで、私も公式ドキュメントからわかることを先にまとめて、それをよんで分からなかったことをcloud.config Divの神田君に協力していただいてMicrosoftに問い合わせてみたので、その結果を紹介します。 公式ドキュメントの記述 「azure データ破棄」と調べると一番上に出てくる公式ドキュメントでは、Azureインフラストラクチャのコンプライアンスは以下のように書いてあります。 > Azure インフラストラクチャは、ISO

    「データセンターから生きて出ることはない」Azure廃棄ディスクの行方を追ってみた
  • Nintendo Switchのプッシュ通知を支えるテクノロジー

    テクノロジーに興味がある人なら、身近な製品の裏側って気になるもの。そんな知的欲求を満たしてくれるセッションが、昨年の夏に行なわれたre:Union 2018 Osakaには用意されていた。Nintendo Switchの裏側にあるシステムを紹介する「Nintendo Switch向けプッシュ通知システム『NPNS』」と題して、任天堂 ネットワークシステム部の渡邉 大洋さんが語ったセッションだ。フレンド登録したユーザーのゲームプレイ通知など、見慣れたあのメッセージは、こうやって送られていたのだ。 想定同時接続数1億台のリアルタイム通信インフラをAWSに構築 「実はこのセッション、AWS Summit Tokyoでもやったので聴いたことがある人がいるかもしれません。が、そこは今日初めて聴いたようなテンションで聴いてください」(渡邉さん) という出足で会場の笑いをさらった渡邉さんにならって私も書

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  • Windowsのパス区切り文字は、なぜ逆スラッシュになったのか?

    MS-DOS 2.0のソースコードが公開された 9月末にMS-DOS 2.0のソースコード(https://github.com/Microsoft/MS-DOS/tree/master/v2.0)が公開された。ここでは、ソースコードを見ながら、Windowsのパス区切り文字が、なぜ「\」(英語表示では逆スラッシュ)になったのかを考えてみる。 ただ、MS-DOSは8086のアセンブラで記述されているため、コードを説明するのではなく、必要な定義部分などを使って解説することにする。 まずは簡単にMS-DOSという名称について説明しておく。IBMがIBM PC用のOSとしてマイクロソフトに開発を依頼したため、IBM PC用のものはPC-DOSという名称であり、MS-DOSはIBM以外のメーカー用に使われた。この時点では、PC-DOSとMS-DOSはほぼ同一のものとしてよい。ここでは、すべてMS-

    Windowsのパス区切り文字は、なぜ逆スラッシュになったのか?
  • 約60時間を非常用電源設備で乗り切った石狩データセンターの奇跡

    2018年9月6日に北海道を襲った震災により、停電状態に陥ったさくらインターネットの石狩データセンターに対し、9月8日ようやく電力供給が再開された。想定を超えた約60時間を非常用電源設備で乗り切り、インフラ事業者としての矜持を見せた石狩データセンターの「奇跡」について、改めてきちんと説明していきたいと思う。 卓越したオペレーション能力で「想定外」を「想定内」に 2011年11月に開設された石狩データセンターは、数多くのサーバーを収容するさくらインターネットの基幹データセンターになる。開設当時はソーシャルゲームの普及でサーバーの需要がうなぎ登りだったほか、環境に配慮したエコなデータセンターが求められていた。こうしたニーズに対応する石狩データセンターは、寒冷地のメリットを活かした外気冷却と東京ドーム1個分に相当する広大な敷地を用いたスケーラビリティが大きな売りだった。私も開設時と増設時で2回ほ

    約60時間を非常用電源設備で乗り切った石狩データセンターの奇跡