「でもほんと、何やるか決めなきゃ」今度はアグリーが言った。等々力のヒナコの家ではクマとアグリーのオリジナル・テープの再生が終わっても、四人の協議は全く進んでいなかった。 「どうせなら何か面白い事がいいな。あっ、面白いってfunnyじゃなくてinterestingの意味なんだけど」アグリーの後を引き受けてクマが言った。 「面白い事かあ」ヒナコは天井に目をやり独り言のように呟いたが、ムーは黙ったままだった。 するとアグリーが突然言った「白い犬がいました。頭が真っ白でお腹も真っ白・・・」「それで尾も白いのか。詰まらんな」クマ呆れ顔で応えた。 彼等は9月末の文化祭で何をするのかを打ち合わせていた筈だった。しかし、取敢えずギターと歌で音楽をやる事だけははっきりしているものの、出演者が決定し劇場も押さえておきながら、肝心な台本が無い劇団のような状態だった。 過去二回の文化祭では強引にクラスを引っ張って
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