「2012年3月期の業績予想を出すのは難しいかもしれない」と、豊田自動織機の関係者はため息をつく。 トヨタ自動車の大株主であると同時に小型車「ヴィッツ」などの組み立て工場を運営しているが、トヨタの生産計画が不透明なため自社の生産計画が立てられない。 欧州メーカーなどトヨタ以外の売り上げが比較的多いデンソーも、トヨタの生産が減れば、部品生産を絞らざるを得なくなる。北米の新車販売が底入れした今期は増収増益になる公算が大きかっただけに、震災がもたらしたダメージは大きい。 自動車、上期赤字も そのトヨタは、一刻も早く生産を再開しようと生産管理や購買などの担当部門が努力を続けている。車両生産を休止していた全工場で18日から生産を再開することを決めたが、部品調達の問題から稼働率は通常の5割程度。自動車1台につき2万~3万点の部品が必要とされ、断ち切られたサプライチェーンをつなぎ直すのには時間がかかる。