コインランドリーを巡り歩いて15年。ミニチュア作家の藤原健一さん(48)=東京都国立市=は、母の介護から現実逃避をしようと、コインランドリー巡りを始めた。きっと、今日もどこかの街を歩いている。 都営地下鉄篠崎駅(東京都江戸川区)で待ち合わせた。駅前のコンビニエンスストアで、インスタントラーメンを食べている男性に目をやると、首から一眼レフのカメラをぶら下げている。この人が藤原さんなのか? 声をかけたら、にっこりした笑顔が返ってきた。 「コインランドリーを巡る前に寄りたいところがあるんです」。慣れた足取りで歩く藤原さんの後をついて行くと、コインランドリー経営を手がける不動産屋に到着した。