「マスク、どないしてる?」「会社からの支給じゃ足りへんなあ」「そやろ。私、洗って使ってんねん」――下町の喫茶店で、女性の会話が聞こえてきた。新型インフルエンザの感染拡大でほとんどの店のマスクが売り切れる中、洗濯という裏技に踏み切る人がいるらしい。果たして、使い捨てのマスクは再利用できるのか。 ◇形崩れフィットせず 鉄道会社で働く50代女性は、家にあったマスクが残り少なくなってきたので、軽く水洗いした後、100円ショップで買ったスプレーでマスクの両側にアルコール消毒液を噴霧し、室内干しして再利用しているという。「だってマスクは売っていないし、着けてないと肩身狭いし。天日干しだとウイルスが飛んでいるかもしれへんけど、室内なら大丈夫やろ」と女性は独自の再利用方法に胸をはる。 広島国際大の佐和章弘准教授(感染制御学)は、「あくまでも理論上」と断ったうえで、「確かにアルコール消毒でウイル