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ブックマーク / katokitiz.hatenablog.com (8)

  • ぼくが思うボブ・ディランのすごいところ - シン・くりごはんが嫌い

    仕事を終えた21時半頃になる。スマホの画面を見たら父からメールが届いていることが通知されていた。件名は「ボブ・ディラン」だった。 滅多にどころか、片手で数えるくらいしかメールをしたことがない父である。CD貸してくれ程度のことなら帰ってからでもいいのにと文を開いたら「ノーベル文学賞受賞」と書かれていた。ぼくはそこでボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞したことを知った。 もちろんニュース番組はトップでこの話題を取り上げた。なんといってもミュージシャン初の快挙である。しかし『風に吹かれて』の歌詞が紹介されてばかりで、受賞した理由である「アメリカ音楽において新しい詩の表現を創造した」という部分をしっかり説明している番組は皆無だった。もちろん受賞自体にピンときてない方も少なくないはずだ。 そこで、今回、せっかくなので、ぼくなりにいままでなんとなく「ボブ・ディランすげえな」と思ってたところをツラツ

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  • まさに意外な映画『アクシデント/意外』 - シン・くりごはんが嫌い

    『アクシデント/意外』を鑑賞。ジョニー・トー制作でソイ・チョン監督作。 ピタゴラスイッチ的なしかけで事故に見せかけてターゲットを殺す暗殺者四人組。しかし、おなじような事故でもって仲間のひとりを殺され、あげく空き巣に入られ、これまで暗殺でかせいだ金をすべて盗まれる主人公。不審に思った彼は仲間に疑いの目を向けつつ、あるひとりの男の存在にたどりつき、彼を監視しつづけるが……というのがあらすじ。 「武器をつかわずにターゲットを殺す暗殺者集団の映画を撮りたい」というソイ・チョンの想いから製作がスタート。実際、事故に見せかけて暗殺するというのはどういうことなのか?を徹底的にリサーチし“禁書”と呼ばれるものまで読みあさったらしいが真意は不明。どうやったらガラスが割れて、どうやったらガラスが落ちてくるかなど、それこそ映画のキャラクター同様、当に事故に見せて殺す手段を現場でもリハーサルを重ねて再現する徹底

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  • 大きなお世話だこのやろー『DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?』 - シン・くりごはんが嫌い

    『DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?*1』を鑑賞。いわずとしれたAKBドキュメンタリー映画の第三弾。 2013年2月3日の時点でいうのもアレだが「峯岸坊主騒動も含め、映画の日で初日の初回、さらに舞台挨拶付き上映」という限定された状態でいえば、文句なしに今年のベストワンである。恐らく作品としてこれよりも素晴らしい映画はたくさん公開されるだろうが、良い意味でも悪い意味でも「1000円で得られる映画体験」としての衝撃でいえば今年はこれを超えるものはないかもしれない。コストパフォーマンスの高さは異常ともいえる。 例によって、NHKで一時間のドキュメンタリーを放送し、その翌日に映画公開という流れ。 前作はAKBを知らない人が観ても楽しめる作りになっており、その過酷さ、残酷さを余すとこなく映し、各方面から「まるで戦争映画

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  • 夢を売って夢を叶えろ『夢売るふたり』 - シン・くりごはんが嫌い

    『夢売るふたり』鑑賞。 小料理店を営み、夫婦としても経営者としても料理人としても順風満帆だった貫也と里子。ところが開店5周年を迎えたその日に火事で店が全焼してしまう。一気にどん底に突き落とされたふたりだったが、ふとしたことで貫也が店の常連だった女と一夜だけの関係を結び、新たな店を開業するための資金まで提供してもらう。しかし、それがにバレ、こっぴどく叱られるが、弱ってる女につけこめば簡単に落ちるという発想から、資金を稼ぐための方法として結婚詐欺を思いつく……というのがあらすじ。 夫婦の話なのにも関わらず、冒頭でこれから結婚詐欺でダマされるであろう人々がダイジェストで登場し、終わりのほうで彼女たちはどのように変わっていったのか?が描かれる一風変わった作品。故にどのような感想を持つのか十人十色であり、様々な解釈を迫られる。 ストーリーラインはあるものの、意図的にそれをしっかり語ろうとはせず、む

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  • 果てしなき絶望と一筋の光『ダウン・バイ・ロー』 - シン・くりごはんが嫌い

    深町秋生の新刊『ダウン・バイ・ロー』を読んだ。 ダウン・バイ・ロー (講談社文庫) 作者: 深町秋生出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/05/15メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 186回この商品を含むブログ (17件) を見るかつての親友であった遥を、数人のグループでいじめる側にまわってしまった響子。この日も同じように金持ちである遥にたかろうと集まってきた響子たちだったが、遥は「もうホントにお金がないの!」といつもと違う様子を見せる。普段はお金がなくてもATMでおろしたりしている遥だったが、少し負に落ちない点がありながらも、おごってもらって飯にありつこうとしていた響子たちは落胆。しかたなく家路につこうとしたその瞬間、遥は響子たちの目の前で列車が近づいてくる線路に飛び込んでしまう………というのがあらすじ。 「山形マット死事件」をモチーフにしたと著者は語っているが、あくまで

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    mmsuzuki
    mmsuzuki 2012/05/26
  • この映像に大友克洋は嫉妬する『ヒューゴの不思議な発明』 - シン・くりごはんが嫌い

    『ヒューゴの不思議な発明』を3Dで鑑賞。 ドンデン返しがあるとかそういうのとは違うが、あらすじについていっさい言及ができないマーティン・スコセッシ監督最新作。自身、初の3D映画であり、FUCKと血にまみれた作品を得意としてきた彼が、初めて手がけた家族向けのファンタジー映画でもある。 とは言いながらも、スコセッシが子供のころに感じていたような「見せ物」としての「映画」にこだわった内容で、映画がちょうど進化を遂げはじめたころの時代と「3D」という新たな「見せ物」でなければならない現代の関係性がリンクし、必然的に3Dでなければ成立しない物語になっているのが特徴。 リュミエール兄弟がフィルムを使って、カメラに向かって来る列車を観客に見せたとき、観客はこちらに列車が飛び込んで来るかと思って身体をのけぞらせたというエピソードは有名で、編にも登場するが、その「感じ」をもう一度やるために、あえて3Dとい

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  • 感染のスピードと同じ早さ『コンテイジョン』 - シン・くりごはんが嫌い

    『コンテイジョン』鑑賞。 ハリウッドにおいて、ティム・バートンと並び、作家性と娯楽性を兼ね備え、特異なポジションについているソダーバーグ監督最新作。原因不明の感染症が世界中を襲うというシンプルなプロットの作品。 新種の細菌による感染症が猛スピードで全世界を襲い、その感染が広がっていく様を、たくさんのキャラクターの視点から描き、それが感染の時系列と繋がっていくという巧みな編集によって映画は構成されている。感染の原因になった女とその夫、そして専門家、医者、ワクチンを作る男、さらにそのワクチンを得るために関係者を誘拐する男などなどキャラクターは多種多様であり、舞台も全世界を縦横無尽に駆け回る。豪華スターを共演させることで、少ししか写らないようなキャラクターにもインパクトを持たせ、ただの顔見せでないことをアピールするあたりもさすがソダーバーグという感じでぬかりない。実際、とてつもない人数が出ている

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  • 神無き世界の神、それは親『ツリー・オブ・ライフ』 - シン・くりごはんが嫌い

    『ツリー・オブ・ライフ』鑑賞。 奥田民生の楽曲に“アーリーサマー”というものがある。 民生自身、歌詞にこだわりはないと公言しており、楽曲(特に歌詞の内容)について語ることは少ないのだが、まだ鳥越俊太郎との対談番組であった「僕らの音楽」において、彼は“アーリーサマー”についてこんなことを言っていた。 鳥越「(次に演奏する楽曲)アーリーサマー、早い夏ということですけれども」 奥田「ま、あんまりタイトルと内容はそんな関係ないんですけど」 鳥越「あなたの曲そんなんばっかじゃない!でも、ホントはあるんでしょ?」 奥田「まぁね……えー、花火をしててですね、楽しいなぁと言ってるけれども、宇宙規模でそれを見たら、なんてセコいことしてるんだと。まぁ、そういう意味合い……星から見れば星の方がキレイなのにと」 鳥越「なるほどー……すごいなんか、哲学的な話だな。花火と宇宙ですか」 『ツリー・オブ・ライフ』を観終わ

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