日銀による国債購入の意味 日本のインフレ率が再び低下し始めている。 全国ベースの消費者物価指数をみると、4月時点の「生鮮食品及びエネルギーを除く総合(いわゆるコア・コア)指数」は前年比+0.4%と低下に転じた。全国ベースの先行指数的な意味合いを持つ5月中旬時点の東京都区部の同指数は前年比+0.2%とゼロ近傍まで低下している。 日銀は、足元の原油価格上昇や円安から先行きのインフレ率は上昇に転じると予想しているようである。だが、原油価格や為替動向は、マーケットで決まるもので先行きがどうなるかの予測は極めて困難である。 そもそも予測が困難なマーケット変数の足元の状況を先延ばしして楽観的なインフレ見通しを表明したところで、信頼性もないし、インフレ予想の「レジーム転換」はおぼつかないのではなかろうか。 このような状況の中で、日銀の「量的・質的緩和政策(QQE)」の限界を指摘する声がこれまで以上に高ま