「これまで警察、検察と戦ってきましたが、裁判所とも戦わなければならなくなるとは思いませんでした」 今も全国最年少、32歳の若き市長が、控訴審逆転有罪判決の直後に漏らした言葉だった。 控訴棄却で無罪判決が確定することを固く信じ、「美濃加茂市民 完全勝利」という垂れ幕まで用意して判決を待っていた美濃加茂市民は、落胆の淵に叩き落とされた。 ほとんど一審と同様の証拠に基づき、しかも、一審裁判所は、証人尋問、被告人質問を直接行って、その態度、言い方、表情等も参考にしつつ信用性を判断している一方、控訴審裁判所は、尋問記録の書面だけに基づいて、その内容だけで判断して、いともたやすく一審の無罪判決を覆してしまう。一審無罪の控訴審でそのようなことが許されるのか、信じ難い判決であった。 いつも検察寄りの判決を予想することの多いマスコミも、今回ばかりは、控訴棄却で無罪の方向で事前取材を進めていた社が多く、「破棄