大衆を煽動し聖地奪還の世論を作った僧 隠者ピエールとは12世紀フランス北部出身の僧。 粗末な僧衣をまとい、ろばに乗って村々を回る一介の説教僧なのですが、彼こそが第一次十字軍のキーパーソン。 キリスト教徒によるエルサレム奪還を説いて周り熱狂的な支持を得、民衆を率いてイスラム教徒の征伐に向かいます。 第一次十字軍にも諸侯とともに参加しており、以降200年に渡って続く十字軍の先鞭をつけた人物です。 なぜ大衆は怪しげな僧の説教に熱狂したのか。 このエントリーでは、ヨーロッパ・中東を巻き込む大戦争をリードした隠者ピエールと彼に熱狂した民衆について書いていきます。 イスラム教徒への憎しみが芽生えた隠遁時代 隠者ピエールはフランス北部アミアンの出身。 僧になってからエルサレムに巡礼に赴き9ヶ月間の間滞在します。 その間、イスラム教徒の兵隊に妨害されたり、他のキリスト教徒が嫌がらせを受けるのを目の当たりに