9日の札幌市長選の結果を受け、市が招致を目指している2030年冬季オリンピック・パラリンピックを「34年」に目標変更する可能性がにわかに浮上している。国際オリンピック委員会(IOC)が早くから運営能力に太鼓判を押し、「相思相愛」とも呼ばれた招致活動に一体何が起きたのか。 「批判的な票が相手に流れた」 「当選したことで招致に賛同を得られたわけではない」。9日に3選を果たした秋元克広市長は、市長選から一夜明けた10日、報道陣にそう答え、丁寧な議論を継続していく考えを改めて強調した。また、招致を目指す大会の時期について言及し「見極めが必要。今の状況では拙速に進めていくことはできない」と述べた。 市長選は、招致活動を推進してきた秋元氏と、招致に反対する2候補で争われた。結果は、秋元氏が約46万票だったが、2候補の票数を合計すると約36万票に達した。秋元氏は「(五輪招致などに)批判的な票が相手候補に