企業におけるIT化が始まってもう数十年が経過している。数多くの業務がシステム化されて社員の日々の仕事の中で使われている。したがって、最近のSI案件の多くがシステム更改やシステム再構築である。 ところが最近システム開発プロジェクトの名称に、「○○システム更改」や「××システム再構築」でなく「△△システムマイグレーション」などという名称を用いる例を見るようになった。プロジェクト名称でなくとも、システム計画やシステム概要の説明文にマイグレーションというキーワードを見ることが増えた。そしてこの「マイグレーション」という単語を見たら要注意だ! マイグレーションプロジェクトは、トラブルになりやすい。プロジェクト開始当初に比べ要件が膨らみ、開発コストが増え、終了期限が伸びて炎上してデスマーチ化しやすいのだ。それはなぜか。マイグレーションはシステム業界では「移行」を示すが、「移行」と言われると多くの人が、