このエントリーを読んで知り合いのNくんのことを思い出した。才能のない子にどうやって美術への進路を思いとどまらせるかNくんは一種の天才で、生まれた時から絵が下手だった瞬間がないらしい。彼はそもそも両親がともに芸大の美術学部出身で、美術にまみれるようにして生まれてきた。彼が絵を描き始めたのは保育園のお絵かきの時間の時なのだけれど、その瞬間からもう上手くて上手くて、両親からは絶賛の嵐を受け、逆に保育園では上手すぎてあまり理解されなかったのだそうだ。Nくんは絵に関しては色も線も形も初めから良かった。味があったし、美とは何であるかということについて、幼児ならではの直感で究極的な正解に肉薄していたらしい。技巧はもちろんまだまだ足りなかったが、線をどのような太さでどのような味わいでどのような色でどのような長さで描けば、面白くなったりあるいは美しくなったりするかというのを感覚的に知っていたのだ。Nくんによ