全国で唯一の国立児童館として子どもの遊びを支援してきた「こどもの城」(東京都渋谷区)が二月一日、三十年の歴史に幕を閉じる。乳幼児から高校生までを対象に、さまざまな遊びのプログラムを開発したノウハウは、全国の児童館が手本にし、広がっていった。親子二代で通った利用者も多く、閉館を惜しむ声が上がっている。 都心が冷え込んだ一月中旬、三階の造形スタジオで、子どもたちがはさみで節分用の小さな鬼を作っていた。月に一度は訪れるという東京都目黒区の幼稚園児松崎駿太ちゃん(5つ)は「この前はヒツジを作ったんだ」と楽しそうに手を動かす。