私は現在、大学で主に臨床心理系の講義を担当しておりますが、もともとは精神科医です。3年前に現大学に赴任するまで少年院で法務技官として勤務してきました。その前は大阪の公立精神科病院に児童精神科医として勤務していました。 そこでは外来や入院病棟で発達障害、被虐待児、不登校、思春期の子たちなどを診察していましたが、その病院は関西の基幹病院とも言える規模だったので、あらゆる症例を見てきました。 発達障害の専門外来では、申し込んでから初診の順番が来るまで4年待ちという状態で、ほとんど機能していないくらいの患者が集まってきていたのです。児童だけでなく、殺人などの重大犯罪を行った成人や少年の精神鑑定を行う機会もありました。 ある少年との出会い 当時、ある施設へ定期的に出向いて診察や発達相談などを行っていたのですが、そこで発達障害をもった1人の少年に出会いました。その少年は性の問題行動を抱えていました。年
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