福島県郡山市の保健所が小学生に配った啓発パンフレット「最大の国民病-がんのおはなし」に批判の声が上がっている。保健所の担当者は「原発事故とは全く関係なく、がん検診の受診率を上げたかった」と戸惑いを隠せない様子だが、監修は〝安全派〟の中川恵一東大病院准教授。被曝への不安が未だ根強い中での「クラスの2人に1人はがんになる」との内容は、あまりにも親たちの感覚とはかけ離れており、鈍感だと言わざるを得ない。保健所には連日、問い合わせの電話が寄せられており、担当者は釈明に追われている。 【保健所の狙いは「がん検診受診率の向上」】 郡山市保健所地域保健課によると、啓発パンフレットは市内の公立小学校に通う全6年生に配布した。原発事故が起きる前年の2010年に初めて作成。当初から、東大医学部附属病院放射線科の中川恵一准教授がまとめたテキストを引用しているという。現在は、著作権の関係上、テキストをまとめた東京