今回は文学関係の研究会に出てきたのですが、まあ、やっぱり、価値観が違うな、と。 文学をやっている人というのは、基本的に、「個人」が好きなんですね。抗しがたい、大きな歴史の流れにおいて、個人が、(たいていは「その流れに逆らって」)どういう道を取ったか、取りえたか、考えたか、みたいなのに萌える人が多い。「個人」>「歴史の流れ」なんですね。これは老若男女問わず、文学研究者に見られる性向です。 一方僕は、「個人」には、基本的に興味がない。「個人がどう考えたか」自体、時代の流れからは自由ではありえない。「時代の流れ」によって生まれた「個人の思い」(の集積)が、さらに大きな流れとなって「歴史の流れ」を拡大していく、みたいな考えに萌えます。だから、大文学者であろうが名もない農民であろうが、そういう「個人の思い」を等しく扱い、それを集めて、この時代には何が考えられていたか、を探る作業が大好きなのです。 な