池田 これは、僕が連載している『ちくま』にも書いたことだけど、僕が嫌煙権運動を「禁煙原理主義」と揶揄するのは、他人に迷惑をかけない限りたばこを吸うのは許される、と言っておきながら、実際のところこうした運動が、喫煙者の権利を抑圧する方向へ向かっているからなんです。そもそも、僕の大学で構内を全面禁煙にすべきだ、という議論が持ち上がって頭にきてそういうことを言い出したんだけど、これはまさに、喫煙者の権利の抑圧でしょう。ある先生は、校内に灰皿があるからいけないんだ、なんて言っていたけど、灰皿がなければ構内はたばこの吸殻だらけになる。誰が掃除するんだっていうの。それじゃ、たばこを吸ったヤツは退学にしろ、なんて言う。そんな大学、誰も来なくなってつぶれますよね。だから、校内禁煙にしたらたばこを一○本くらいくわえて歩いてやるって言ったら、とくに女の先生たちから白い眼で見られてしまって(笑)。まあ、そういう