その萬古焼の強さの秘密は、材料にあります。 銀峯製陶の熊本誠太専務: 「ペタライトという原材料で、陶器に入れると耐熱性が飛躍的に向上する。土鍋を作る上では不可欠な素材かなと思います」 萬古焼は、ペタライトと呼ばれる鉱物を土に混ぜることで、耐熱性を高めています。 1950年代から全国に先駆けて使ってきた材料ですが、今、入手できなくなるかもしれないピンチを迎えています。その理由が「電気自動車」です。 熊本専務: 「ペタライトにもリチウムが含まれているので、バッテリーを作る上でターゲットになった。以前はそんなに人気のある原材料ではなかったんですけど、昨今のEVで需要が大きく伸びたので、市場価格も4~5倍くらいまで上昇した」 電気自動車の普及で、リチウムイオン電池の原材料が不足したことに伴い、ペタライトの需要も増加しています。萬古焼の窯元らは、アフリカ大陸にあるジンバブエからペタライトを輸入してい