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ブックマーク / yusukenakamura.hatenablog.com (11)

  • 受けて立とうバイオバンクジャパンへの批判;出てこい東北大学 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    木下賢吾なる人物が、バイオバンクジャパン批判の文章を書いて配布している。 東京大学医科学研究所にバイオバンクジャパンのデータアクセスを批判する文章が私に手元に届いた。2020年の基準で、2002年に計画したバイオバンクのデータアクセス権を批判するなど、アホ以外の何物でもない。2002年、バイオバンクジャパン計画を作成したのは私だ。当時、ゲノムそのものに対する理解も今と比べればはるかに低く、「ゲノム=究極のプライバシー」といった感じで、ゲノム研究のための大型研究を進めようとする私には、暴風雨が吹き付けていた。絶対にプライバシーを守るのだという刃がのど元に突き付けられていた。 データの第3者利用とでもいえば、プロジェクトそのものが立ち行かないくらいだった。そこで、データを保存するコンピューターはスタンドアロンと呼ばれる外部との接続をできない形で始めた。第3者に利用できるようにするなどと言えば、

    受けて立とうバイオバンクジャパンへの批判;出てこい東北大学 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
  • 泥沼・後手のクルーズ船;危機管理と診療情報を考える - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    クルーズ船内の新型コロナウイルス感染症者は、一気に倍近くの135人となった。合計439名の検査を実施したようなので、なんと感染者の割合は被験者の30%という驚くべき高値となる。飛沫感染で広がるにしては感染者数の増加は異常だ。北京で操業を開始した企業では、空気感染を懸念して、暖房をしていないようだ。寒い北京の環境では暖房なしで働くのは厳しい。 テレビのコメンテーターが「寒くて風邪を引くのでは?」と言っていたが、「危機管理は最悪のケースを想定して行う」という基的原理をわかっていないようだ。可哀そうという気持ちで、このような感染症の抑え込みはできない。日では空気感染には否定的だが、急速に感染が広がっている実情を考えると、これも想定した対策が必要ではないのだろうか?幸いにも致死率は、当初報道されていた数字より一桁小さいようだが、船内における感染の急拡大を説明する科学的な理由の解明が必要だ。 オ

    泥沼・後手のクルーズ船;危機管理と診療情報を考える - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
  • 京大論文不正-2 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    山中伸弥先生の記者会見の様子をビデオで見た。「不正を防げず、無念」とのコメントだったが、私は不正など、組織がとてつもない努力をしても、防げるはずがないと思っている。性善説に経てば、努力によって防げるはずだが、世の中から犯罪がなくならないのと同様に、絶対にこのような不正はなくならないように思う。偉そうに言っているメディアでも不祥事は起こっているではないか! そして、どう考えても、この件の一義的な責任は、研究者とその直属の上司にある。山中先生が所長を辞職しなければならないような理由はどこにもない。この立場にとどまって、日で、そして、世界で、山中先生に期待している患者さんや家族のために尽くすべきだと思う。 それにしても、「論文の見栄えをよくしたかった」という理由が述べられていたが、幼稚すぎて唖然とするしかない。とても、30歳を過ぎた大人の発言ではない。見やすい図や表を作ることと、数字や図を改竄

    京大論文不正-2 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
    mobanama
    mobanama 2018/01/24
    "不正など、組織がとてつもない努力をしても、防げるはずがない""問題が起こるたびに実験データのチェック・管理体制の強化が叫ばれるが、所長がryもっと重要なことに費やす時間がますます制約されてしまう"
  • シカゴに来て4年;人生の引き際・散り際を考える - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    今日はきれいに晴れ上がってすがすがしい気候だ。通勤路にも、白、紫、黄色の花が咲き始め、歩いていて気持ちがよかった。 そして、今日でシカゴに来て、ちょうど4年になる。長いような、短いような4年間であった。この時期になると日が恋しくなる。それは、東京大学医科学研究所に毎年咲き誇っていた、美しい桜の姿を眺めることができないからだ。桜の花は美しいが、私が最も魅かれる点は、その散り際の潔さだ。枝枝をピンク色に染めて、鮮やかさが最高点に達した時に、春風に吹かれて散っていく様は最高に美しい。そして、なぜか、無念な想いで散っていった神風特攻隊の人たちが思い浮かぶ。彼らの死は、決して美しいと表現すべきではない。しかし、その彼らが、自分の死を持って守った日という国の誇りを捨て、自分たちの利権のために奔走する人たちが腹立たしい。 私は、この桜の散り行く様を見る度に、自分の人生の散り際を想定してきた。歌手の山

    シカゴに来て4年;人生の引き際・散り際を考える - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
    mobanama
    mobanama 2016/03/30
    "私が20年前に提唱した「オーダーメイド医療」が「プレシジョン医療」と名を変えて、医療に大きな変革をもたらしつつある状況と、その潮流から大きく遅れつつある日本の動きが気になりもする"
  • 日本の凋落;世界大学ランキング - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    英国の雑誌「Times Higher Education」が世界大学ランキングを公表した。教育や研究、論文の引用件数、知識の移転、国際性などを加味して評価した結果である。日の各紙は、「東京大学がアジアの首位から陥落した」ことを大きく取り上げているが、問題は東京大学だけに限らない。東京大学以外にも、日の大学の世界ランキングの順位が大きく下がっている。 ちなみに東京大学は23位から43位、京都大学は59位から88位と下がり、大阪大学、東北大学、東京工業大学は200位圏内から去っている。この結果、アジア1位はシンガポール国立大学(世界26位)、2位は北京大学(アジア42位)となり、東京大学はアジア3位となってしまった。科学雑誌は英語で記載されたものが、圧倒的な優位に立っているので、英語圏の国が有利であることは間違いない。しかし、世界に羽ばたく日の大学どころか、翼の折れた日の大学といった様

    日本の凋落;世界大学ランキング - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
    mobanama
    mobanama 2015/10/08
    "生命科学の基本であるゲノム解析を過小評価した人たちの罪は深い""仕事量が増えてきているにもかかわらず、逆に定員が削減"
  • 朝日新聞社が謝罪した?! - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    朝日新聞がとうとう謝罪した。しかし、いわゆる従軍慰安婦問題、原発の吉田証言をめぐる報道に対して朝日新聞に対する厳しい批判が続いている。当然だろう。原発の吉田証言など、どこどのように読めば、あのような報道になるのか理解不能である。取材者に悪意があったとしか思えない。また、池上氏の問題など、「言論封殺と批判されるとは思いもよらなかった」と言えるセンスが、報道機関としての資質に疑問を投げかける。他の対象者なら、「溺れた犬に石を投げるな。それが武士の情けだ」と言いたいところだが、こんな往生際の悪い会社には、溺れるまで突き飛ばしてやれと応援のエールを送りたい。 他人には、「反省せよ」「謝罪せよ」「自己改革が足りないと」非難の先頭に立つくせに、この無様な姿は何なのか!「詭弁はやめろ、言い逃れはするな、論点をすり替えるな」と正義のペンを振りかざし、社会のオピニオンリーダーを自称してきた言葉が、まさにブー

    朝日新聞社が謝罪した?! - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
    mobanama
    mobanama 2014/09/17
    "他人には、「反省せよ」「謝罪せよ」「自己改革が足りないと」非難の先頭に立つくせに、この無様な姿は何なのか!"私怨を隠そうともされないあたり好感が持てるw
  • がん免疫療法(1):「詐欺よばわり」から「第4の治療法」への道 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    がんの「免疫療法」には、数十年にわたって、「いかがわしい」、「胡散臭い」、「ペテン」、「詐欺」などという、芳しくないレッテルが張られていた。私も外科医をしていたころから、免疫療法には悪い印象しか持っていなかった。1990年にがん細胞特異的な抗原(がん細胞を攻撃する免疫反応を活性化する物質)が報告されたり、メラノーマ(皮膚にできる黒い色をしたがん)に対してワクチン療法やある種の細胞療法に効果があると発表があっても、かつて治療にあたった患者さんの印象が強く、疑い深い思いは変わらなかった。 この私の考えを180度変えたのは、東京大学医科学研究所で実施された「腎臓がんに対する遺伝子治療」の結果であった。私はこの遺伝子治療の審査委員長であり、審査の段階から関わり、定期的に報告を受ける立場にあった。患者さんからがんを切除し、がん細胞に免疫を強める遺伝子を導入して、再び体内に戻す治療法であった(体内に戻

    がん免疫療法(1):「詐欺よばわり」から「第4の治療法」への道 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
    mobanama
    mobanama 2014/08/25
    "4年前、当時の民主党政権の長妻昭厚生労働大臣がワクチン治療に「100億円予算をつけろ」と指示を出したが、結局20億円程度になってしまった"
  • 「報道の自由」は「虚偽報道」にも適用されるのか? - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    従軍慰安婦問題に関して、朝日新聞が一部の記事を取り消した。私は「朝日」の2文字を目にするだけでも血圧が上がるのだが、気になったのは、某政党の幹部の「事実と違う報道がなされたら、きちんと是正することが必要だが、国会での検証については、報道の自由と重ね合わせると慎重に判断すべきだと思う」という発言だ。 正しい事実を報道する自由を守るべきであるとは思うが、虚偽や事実をゆがめた報道をして、その対象者の名誉を傷つけていい自由など認める必要はない。ましてや、傷ついたのは日人であり、日という国家である。国と国民が傷ついたにも関わらず、国会で検証するのに何の問題があるというのか? 「事実と異なる報道がされれば、是正されるべきである」と簡単に言うが、個人的な経験から「事実でないこと」、「記事を書いた記者に悪意があったこと」を証明するのは極めて難しい。特に文章に巧みな記者が行間に隠した悪意など、証明不可能

    「報道の自由」は「虚偽報道」にも適用されるのか? - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
    mobanama
    mobanama 2014/08/12
    "その冤罪に対して、警察や検察の責任を容赦なく攻め立てるメディアではあるが、「報道」という名のペンの暴力が人を傷つけても、自らにはきわめて寛容である"
  • 「希望」が「絶望」に変わった瞬間 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    mobanama
    mobanama 2014/08/06
    "日米で共通の標準的な抗がん剤治療がリストにはなかった"
  • (続)STAP細胞の悲劇;愚かなメディアと研究者集団 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    ネットニュースに流れる「ノーベル賞候補だ」「山中先生に劣らない」という文言を目にして憤りが増してきた。一人の研究者が自分の命を犠牲にしなければ、再評価されないのだろうか。一つの汚点が、その個人の長年にわたる業績が帳消しにしてしまうのか? 「笹井先生が追い詰められていたようだ」とよく他人事のように記事にできるものだ。誰が追い詰めていたのか?これでもか、これでもかと、痛めつけていたのは誰なのだ!!長時間、さらし者のようにされれば、追い詰められて当たり前だ。今さら、美辞麗句を並べて、亡くなった人間が生き返るのか! それにしても、この問題が「なんとかスペシャル」で特集を組むような問題なのだろうか。笹井先生ほどの研究者なら、再現性のない論文を報告すれば、後にそれによって失うものが如何に大きいかくらい十分に認識できるはずだ。自分が積み上げてきたものを、すべて失うリスクを冒してまで、詐欺のような行為をす

    (続)STAP細胞の悲劇;愚かなメディアと研究者集団 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
    mobanama
    mobanama 2014/08/06
    "だれが考えても最大の責任の所在が明らかな事柄なのに、いつまでも処分を打ち出せずに、精神的に苦しめ続けた理化学研究所の執行部の責任は免れない"
  • STAP細胞の悲劇 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」

    STAP細胞事件は、とうとう、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長の自殺という最悪の悲劇に発展した。私も築地にある偏向した考えのA新聞社にいじめられて、自殺が頭をよぎった経験があるので、今回の事態は私にとって全く予期できなかった事態ではない。 来は科学的に検証すべきものが、最初に華々しく打ち上げすぎた反動や小保方晴子氏の頑として非を認めない姿勢によって、完全にワイドショー化されしまった。その結果、副センター長として、責任著者として、メディア(私には、報道という名に値しない、低俗なゴシップ屋としか思えないが)の矛先が向かっていただけに、その重圧に耐えられなかったのではないだろうか。 笹井氏は、私のような雑草ではなく、京都大学医学部を卒業したエリート中のエリートとして育ってきた。36歳で京都大学の教授となり、再生医療の分野をけん引してきた。笹井氏とは個人的な交流は

    STAP細胞の悲劇 - 中村祐輔の「これでいいのか日本の医療」
    mobanama
    mobanama 2014/08/06
    "私も築地にある偏向した考えのA新聞社にいじめられて、自殺が頭をよぎった経験があるので、今回の事態は私にとって全く予期できなかった事態ではない""報道の在り方""社会全体によるパワハラ"
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