融け出す永久凍土、10%も残されていない原生林、溺れ死ぬ10万頭の赤ちゃんアザラシ、レジ袋を食べるアジアゾウ……今、何が起きているのか。人は、何をしてきたのか。 地球温暖化、異常気象、生物多様性の危機、大量絶滅に人口爆発など、地球が抱える様々な課題を総括する1冊が出版された。40年以上地球を撮り続ける日本人の写真家にして、生物ジャーナリストである藤原幸一の目には、どのような光景が映ってきたのだろう。 世界遺産の現状、再生の現場を含む5大陸120カ所のレポートから、こわれゆく地球との向き合い方を考える。環境問題をどう受けとめるか、自然と人間は共存できるのか。『環境破壊図鑑――ぼくたちがつくる地球の未来』(ポプラ社)から一部抜粋し、紹介する。 喉やお腹に腫はれものができてしまったアデリーペンギンを発見。2005年、当時イギリスのケンブリッジ大学教授であった、ペンギン研究のエキスパートであるハン