男子50キロ競歩は史上初の複数メダル、出場3人ともが入賞と、日本が世界で戦えることを証明した。銀メダルの荒井は終盤まで競り合った小林、5位の丸尾を満面の笑みで、フィニッシュラインで出迎えた。 リオ五輪金、銀の両メダリストが出場しなかった今大会。この種目の日本勢最年長、29歳の荒井には、仲間をリードする余裕があった。隣で歩く小林が歩型違反の警告を受けると「まだ一つだから冷静に」とささやいた。給水では水を2本とって渡す場面もあった。 残り13キロ。小林と一緒に集団を抜け出した。そのとき、荒井にはまだ余裕があったが、小林の呼吸の乱れに気づき、なんと自ら「ペースメーカー」を買って出た。2人で確実にメダルをとる戦術をとり「メダルいけるぞ」と励まし続けた。 ここまで荒井が仲間思いなのは、日本競歩界を盛り上げたい一心だからだ。 今春、男子50キロ競歩廃止の可能性が一時浮上した。存続が決まり胸をなで下ろし