観終わってすぐ、Twitterにはこう書いた。 公開を楽しみにしてた映画『この世界の片隅に』を観た。映画で泣くことは1年に一度くらいはあるけれど、3年分、いや10年分くらい泣いた。ほわほわした絵柄で緻密に考証された日常を描く前半と、後半のコントラストの凄まじさ。恐ろしい出来だ。映画演劇小説含めて今年ナンバーワンであった。 — 谷賢一 (@playnote) 2016年11月14日 今年ナンバーワンどころか、今まで観たあらゆる「戦争モノ」の中でナンバーワンだった気さえする。それはこの映画が、いわゆる「戦争モノ」ではなかったからだ。 「いわゆる戦争モノ」と言うのは、大別すると2つある。 罪のない一般市民が戦争に巻き込まれ、「もう戦争なんて嫌だ!」と泣いたり怒ったりする、反戦のための反戦映画 特攻隊をはじめ日本軍の兵士や将校を過度に美化して感動的なストーリーに仕立て上げる、愛国心映画 自分は戦争