日本の移動通信産業はここ十年,猛スピードで繁栄と進化を遂げ,世界をリードしてきた。日本では,NTTドコモが1999年に世界最初のモバイル・インターネット・サービスの「iモード」をスタートさせ,さらに2001年には世界で初めて第3世代(3G)携帯電話のW-CDMA方式を採用した「FOMA」のサービスを始めた。世界はまだ2Gや2.5Gが中心の現在でも,日本ではすでに3.5Gに相当するKDDI(au)の「CDMA 1X WIN」(CDMA 2000 1x EV-DO方式)サービスが普及し,他の通信キャリアも高速なHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)方式によるサービスを開始している。そのうえ,日本の通信キャリアとメーカーはさらに先を行く3.9G方式の実用化に向けた作業にも着手している。 ところが,世界の通信産業よりも何歩も先を進んでいる日本の通信産業にあ
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