だいぶ昔の話になりますが、1990年代終わり頃の数年間、僕はある大手証券会社のベンチャー企業支援事業のお手伝いをしていたことがあります。具体的には、全国の中堅・中小企業の経営者や起業家向けに月刊情報誌を編集・制作する仕事でした。その中で、当時注目され始めていたベンチャー起業家に毎月1人ずつお会いし、インタビュー記事を書いていました。 ガンホーの孫泰蔵会長(当時はインディゴ代表取締役)にお会いしたのも、その企画を通してです。今から16年前になる1998年の1月、東京には珍しい大雪が降った日でした。渋谷駅近くの小さなオフィスを訪ねると、孫さんは笑顔で迎えてくれました。それから約2時間、孫さんは僕の質問の意図を素早く察知し、丁寧かつ誠実にインタビューに応じてくれました。 孫 泰蔵(Taizo Son) 1972年、佐賀県生まれ。2年目の浪人時代に、兄であるソフトバンク孫社長(当時)から「計画」と