自信喪失と疑心暗鬼に固められて身動きの取れないまま、そうした鎧に閉じ込められた俺の選択力、決断力は共にどんどん弱まっている。よって、この境涯は、自ら妥協の果てに選び取った産物だったとしても、その細かな決断時に残った疑問が蓄積し、いつしか思い描いた環境と、現実の決定的な分裂に気づいた時には遅く、単なる肉体の不快感で、ようやく置かれている状況に目を覚ますほど鈍っている。どうやら俺は、心の反射神経も落ちているらしい。 だから鞍を着けられて初めて、馬具一切で拘束されたことのない俺は、肉体が猛烈に反発することが分かった。なぜかそこでは、牝に鞍は強制されておらず、馬具一切が強制されているのは牡だけだった。すべての牡はそこに疑問を持つ教育すらされていないので、不自由であることも理解できず、汗を流して放牧されている。 しかも環境一切は牝のご機嫌取りに全て調整されており、牡の不快感を軽減するような配慮は一切