あ。この人凄いわ。 その、なんともアングラエロ本的なえげつない内容に、ニーズとか作家性は認めつつも拒否反応を起こしてたんだけど。 この短編集を読んで、眼からウロコがぼろぼろ。 何を今更ですが、この人、相当才能ある作家さんですね。 こりゃあ、一時期騒がれてたこともよくわかる。 とにかく一話一話の完成度が半端ない。 例えば、第一話の「ニューハーフになった息子と、それを息子だと気づかず(?)それどころか息子の彼女だと勘違いしてしまう親父」の話は秀逸。 こんな話なのに最後ほろっとさせられてしまうのがくやしくも心地よい。 他にも、「援交しようとしたら娘の友達だった中年」の話とか、「死んだ父親の日記を読んだら、女子高生に恋していた」話とか、一行で説明するとわりと最低な話・・・なのに、読んでみたらばやっぱりなんとなくほろっとさせられてしまう。 こういうのこそを機微と呼ぶのであって。 語り口が絶妙なんだろ