終戦後、1950年代になると、日本のSFは急速に発展を遂げます。 1952年に日本漫画界の巨匠、手塚治虫が漫画『鉄腕アトム』の連載を開始。近未来を舞台にロボットであるアトムが活躍するこの漫画は、1966年には日本で初めての国産アニメーションとして放映され、平均視聴率が30%を超えるほどの人気を博しています。この時までSF作品といえば小説を中心に発表されていましたが、アニメや漫画からも次々と生み出されるようになったのです。 1957年にはSF作家・翻訳家である柴野拓美が主宰する団体「科学創作クラブ」によってSF同人誌『宇宙塵』うちゅうじんが創刊されます。SFの創作や翻訳、評論が掲載されていたこの同人誌は、星新一、小松左京、筒井康隆など、後に日本を代表することとなるSF作家たちの作品発表の場となっていきます。 優れたショートショートを数々残したことから「ショートショートの神様」とも呼ばれる星新
皆さんはSF小説をどれくらい読んだことがありますか?私はSF小説が大好きで、子どものころからよく読んでいました。でも、SF小説って普段あまり読まない人からしたら難しくてとっつきにくそうなイメージがありますよね。そこで今回は万人におすすめできる、読みやすくて面白いSF小説をランキング形式でご紹介します。 本を聴いて楽しむ!アマゾンのAudible(オーディブル)が凄かった - そらいろ! 【30位】 横浜駅SF 横浜駅SF (カドカワBOOKS) posted with ヨメレバ 柞刈湯葉 KADOKAWA 2016-12-24 Amazon Kindle 楽天ブックス 周囲のあらゆる建物を取り込み無限に拡大していく横浜駅という荒唐無稽な設定が話題を呼んだ柞刈湯葉のSF小説。どこを見渡しても横浜駅しか存在しないという笑ってしまいそうな世界観だが、内容はいたって真面目(?)なサイエンスフィクシ
ちょっと長文になりますが、海外SF小説の話をさせてください。 しんざきは数ある小説ジャンルの中でもSFを偏愛しておりまして、特にちょっと昔の海外SF小説が好きです。 作家で言うと、大好きなのがレイ・ブラッドベリ、オースン・スコット・カード、R・A・ラファティの3人でして、この3人の作品については(少なくとも邦訳されているものは)あらかた読んでいる筈です。いわゆる作家読みです。 ただ、そういう「大好きな作家」という枠組みとは別に、純粋に自分が面白いと思うSF小説を5作選べと言われれば、最低2冊が割込みで入ってきます。 一冊は、J・P・ホーガンの「星を継ぐもの」。私はこの作品を、およそ「古典SF小説」という枠組みの中では一、二を争う大傑作だと思っていまして、ちょうど去年の今ごろ、「星を継ぐもの」の紹介を書かせていただきました。この記事です。 SF小説「星を継ぐもの」が紛れもない史上最高傑作であ
堆塵館 (アイアマンガー三部作1) (アイアマンガー三部作 1) 作者: エドワード・ケアリー,古屋美登里出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2016/09/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (17件) を見るエドワード・ケアリー《アイアマンガー》三部作が先日発売の『肺都』によって完結したが、これが本当に凄い物語だった。奇しくも『肺都』が昨年最後に読了した本となったけれども、そんなことは無関係に問答無用で『肺都』が17年のベストだ。それどころか《アイアマンガー三部作》は、人生においてこれ程の熱量の物語にあと何度出会えるのだろうか……と考え込まずにはいられない、破壊的な小説作品なのだ。 人間を突き動かさずにはいられない特異なリズムがこの物語全体を貫いている。劇作家でもある著者による台詞、会話劇は一つ一つの発言が声の大きさ、息の吐く音まで聞こえてきそうな(凄まじい翻訳の力もあるの
脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦 (中公新書) 作者: 渡辺正峰出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2017/11/18メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見る人の意識は機械に移植できるのだろうか。 SFなどではおなじみのテーマだけれども、現実的にはまだまだぜんぜん無理だ。でも、その可能性を検討することはできる。果たしてどうやって意識を移植するのか? そもそも移植すべき意識は脳のどこに、どんな過程で宿るものなのか? 仮に意識の領域、発生プロセスが確定したとして、それを移植したとして、どうやったら「機械への意識の移植が成功した」と確認をとることができるのだろうか? 本書『脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦』はそんな脳の意識をめぐる脳神経科学の歴史と成果、それとちょっとばかりの飛躍として、機械の意識について語られた一冊である。これがまあ、基礎的な脳神経科学
ティム・ミラーが映画化!cdrummbks via VisualHunt.com / CC BY[映画.com ニュース] サイバーパンクのパイオニアとして知られるウィリアム・ギブスン氏のSF小説「ニューロマンサー」を、「デッドプール」で長編監督デビューを果たしたティム・ミラーが映画化すると、米Deadlineが報じた。 1984年に出版された原作小説は、ハイテクの汚濁の都“千葉シティ”に住む、落ちぶれたハッカーのケイスが、アクセスを禁じられた電脳空間へ再び入るチャンスをかけ、危険な仕事を請け負うという物語。「攻殻機動隊」や「マトリックス」に大きな影響を与えたとも言われている。 映画化権を持つ米20世紀フォックスは、ミラー監督に同作の映画化を依頼。「デッドプール」や「X-MEN」シリーズの脚本家でプロデューサーのサイモン・キンバーグが製作を務め、ミラー監督とともに企画開発に取り組む。 ミラ
世の中には「SF小説」というちょっと偏ったジャンルがありまして、およそ一般的な読書傾向の方々は、あまりこのジャンルに触れない傾向があるような気がしています。 「そのジャンルを別段偏愛していない人でも手にとる本」 と 「そのジャンルを偏愛している人でないと手にとらない本」 というのがありまして、SFというジャンルには後者の割合が著しく多いような肌感があります。 面白いんですけどね、SF小説。 しんざきは昔からのSF小説好きでして、国内SFも読めば海外SFも読みます。 どちらかというと海外の、ちょっと古めのタイトルが好きな傾向があるかも知れません。ブラッドベリとか、カードとか、ティプトリーとかが特に好きです。国内だと神林長平先生を偏愛しています。 が。これは恐らく、SF好きの人なら結構多くの方が同意してくださると思うんですが。どれか一作、ありとあらゆるSF小説の中での最高傑作を選べと言われれば
最近SFを読み始めたのだけれど、SF面白いね。なので、お詳しい方々、おすすめ教えてください。特に、意識とはなんぞや、とか、知性とはなんぞや、とか哲学的なテーマに踏み込めている作品を知りたい。作品自体が壮大な思考実験になっているような。最近読んだやつの個人的な評価を一応下に載せておきます ◆めちゃくちゃ面白かった グレッグ・イーガン「ディアスポラ」 グレッグ・イーガン「順列都市」 テッド・チャン「あなたの人生の物語」 ジョージ・オーウェル「1984年」 スタニスラフ・レム「ソラリス」 ◆面白かった 伊藤計劃「虐殺器官」 アーサー・C・クラーク「2001年宇宙の旅」 レイ・ブラッドベリ「火星年代記」 ◆まあまあ ジェイムズ・P・ホーガン「星を継ぐもの」 アーサー・C・クラーク「幼年期の終わり」 伊藤計劃「ハーモニー」 ◆自分には合わなかった アルフレッド・ベスター「虎よ、虎よ!」 マイケルコー
最近SF小説を読んだのはいつですか?海外の著名な起業家がお薦めする本を参照できるサイトを覗いてみると、経営書に混ざってSF小説が挙げられていることも少なくありません。 人工知能やドローン、VRにIoTなどはすでに数十年前のSF小説で登場しており、これからの時代を見通すのにあらためてSF小説を読み返す価値がありそうです。 元マイクロソフト日本法人社長で、書評サイトHONZの代表を務める成毛眞さんも、”これからSF小説のリバイバルブームがくる”と予言されています。 それでは、海外の起業家たちがどんなSF小説をおすすめしているのか紹介していきます。人気があり複数回登場する作品もあります。 1. テスラ・モーターズ CEO イーロン・マスクのオススメSF作品 イーロン・マスクはオンライン決裁システムのPayPal、電気自動車事業のテスラ・モーターズ、宇宙事業のスペースXを創業する天才起業家です。「
月面で、真紅の宇宙服を着込んだ死体が発見された。 すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行なわれた結果、驚くべき事実が明らかになる。 死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。 ほとんど現代人と同じ生物であるにもかかわらず、5万年以上も前に死んでいたのだ。 この”人物”は果たして何者なのか? 謎は謎を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。 「宇宙」「地球」の謎、「人類」「生命」の誕生を追ったSF小説の傑作。 一人の屍体から、壮大なドラマが生まれる。 「星を継ぐもの」の見どころ 月で発見された”一人”の屍体 月で”月面調査隊”が発見した一人の屍体。 この屍体を鑑定した結果、現代人とほとんど変わらない体をしているにもかかわらず5万年以上前に死んでいたことが発覚した。 5万年前に人間が月に到達できるような技術を持っていたはずがない。 しかし、循環器系、呼吸器系
※ 掲載している洋画は「息子に夢を信じ続けて欲しい」という願いから選びました。私が小学生低学年の時期、特に80年代前半はSF映画が主流で、よく子供たちを興奮の渦へと誘っていました。私の場合、夢=SF という思考になっています。 1.バック・トゥ・ザ・フューチャー Back to the Future (1985年) 画像引用元:IMDb Photos with Michael J. Fox, Christopher Lloyd 天才科学者がスポーツカーをタイムマシンに開発し、主人公の青年がそれに乗って30年前にタイムトラベルする話。 私が一番大好きなSF映画です。ママが実の息子に恋をする、というタブーをコミカルに仕上げた所が良いです。 2.E.T. E.T.(1982年) 画像引用元:IMDb Photos with Drew Barrymore 宇宙人と子供たちの交流を描いた作品。E.T
ランキング形式にしようかなとは思ったものの、SF映画は古今東西名作揃いなので私ごときが順位を付けるの大変おこがましい。 ということでぜひ見ていただきたい、おすすめしたい作品をざっくりジャンルごとに分けて羅列して紹介していきます。 宇宙や地球外生命体を扱った作品 2001年宇宙の旅 1968年 監督 スタンリー・キューブリック 2001年宇宙の旅 [Blu-ray] 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ発売日: 2010/04/21メディア: Blu-ray購入: 10人 クリック: 98回この商品を含むブログ (64件) を見る言わずもがなのSF映画の金字塔。 もう50年近く昔に作られた映画なのに、いま見てもそのセンスの良さに驚かされる。 ストーリーは難解な部分が多いので「雰囲気映画」などと揶揄されることも多いけれど、後の映画界に大きく影響を与えた作品であることは間違いない。 イン
Inc.:私はこれまでに編集者として、ビル・ゲイツ、イーロン・マスク、スティーブ・ジョブズ、ウォーレン・バフェット、ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグ、シェリル・サンドバーグ、サー・リチャード・ブランソンの推薦図書(ほとんどがノンフィクションです)に関する記事を書きました。 記事を見直すと、少数ではありますがサイエンス・フィクションの題名が出てきました。そこで、億万長者の起業家たちを魅了してきたSF小説7選をご紹介することにしましょう。 1.アイン・ランド著『肩をすくめるアトラス』(原題:Atlas Shrugged) 要約:私たちの現実とそっくりなもうひとつの別の世界では、生産産業に関わる実業家たちが世界から脱するが、世界は滅亡へと向かう。 億万長者に好まれる理由:ほとんどのSFでは、起業家は世界を破壊しようとしている悪者です。この小説では設定が逆で、悪の世界に狙われるヒーローとして
誰もがそうだと思いますが、私もネタバレが大嫌いなので、映画のことを書くときとても注意しています。そうは言っても、この映画にはタイムトラベルが出てくるとわかるだけで、タイムトラベルがストーリーの後の方に出てくる場合にはネタバレになってしまうことがあります。 今回ご紹介する映画は傑作なので「仕掛けはタイムトラベルだ」ということがバレてしまっても楽しめます。しかし、本気でネタバレが嫌なら、この記事を読むときは気をつけて。予告編を観るときは自己責任でお願いします。 タイムトラベル(時間旅行)は作家にとっては、最も興味深いプロット技法の1つです。タイムループを取り入れたり、過去を変えたり、未来の出来事を防いだり、タイムトラベルはずいぶんいろんなストーリーに使えます。 もちろん、タイムトラベルの要素さえあれば良い映画だと言いたいわけではありません。タイムトラベルを効果的に使うには、コンセプト上で新しい
Whats the best Sci-Fi novel you have ever read? ※「外国人がオススメする至高のSF小説17冊」海外のまとめの続きです。 Comment by calyxa キム・スタンリー・ロビンソンの火星三部作 レッド・マーズ〈上〉 2026年、厳選された百人の科学者を乗せ、最初の火星植民船が船出する。果てしなく広がる赤い大地に、彼らは人の住む街を創りあげるのだ。そして大気と水を。惑星開発に向けて前人未到の闘いが始まる。 Comment by Llamalogy アーサー・C. クラークの「2001年宇宙の旅」 同じ著者が書いた「宇宙のランデヴー」もすごく良いよ。 三百万年前の地球に出現した謎の石板は、原始的な道具も知らないヒトザルたちに何をしたのか。月面で発見された同種の石板は、人類に何を意味しているの か。宇宙船ディスカバリー号のコンピュータ、ハル90
Whats the best Sci-Fi novel you have ever read? ※続き「外国人がオススメする至高のSF小説20冊」海外のまとめ Comment by saywhat181 「銀河ヒッチハイク・ガイド」シリーズは僕のお気に入りだよ。 Comment by ProtossTheHero ↑これはもっと評価されるべき。俺ダグラス・アダムス大好きなんだ。彼は最高だよ。 銀河バイパス建設のため、ある日突然、地球が消滅。どこをとっても平凡な英国人アーサー・デントは、最後の生き残りとなる。アーサーは、たまたま地球に居た宇宙人フォードと、宇宙でヒッチハイクをするハメに。必要なのは、タオルと“ガイド”—。シュールでブラック、途方もなくばかばかしいSFコメディ大傑作。 銀河ヒッチハイク・ガイド Comment by Spanglish_Inhibition 「砂の惑星」ああ、陳
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