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  • 文筆家・近代ナリコの書評ブログ : 『一箱古本市の歩きかた』南陀楼綾繁(光文社文庫)

    →紀伊國屋書店で購入 職業として古を扱っていない人たちが、おのおののコンセプトで古をセレクトし、段ボール一箱ぶんを持ち寄って集まり、市場をひろげる。「一箱古市」なるイベントは、著者が住む谷中界隈で二〇〇五年の春に開催した「不忍ブックストリートの一箱古市」がそのはじまりである。 イベントというと、特定の会場や広場などある一カ所に集中して行われるものを連想するが、これは谷中・根津・千駄木、「谷根千」とよばれる地域のさまざまな店の軒先を一箱古屋が借りる、という形式をとる。 あわせて地図もつくった。もともと週末などは多くの人が賑わう町である。くわえて、古くは漱石や鴎外ら作家多くの作家や出版関係者が住まい、「谷根千」の呼び名のもとともなった地域雑誌『谷中・根津・千駄木』があり、講談社がその社屋を最初に置き、今日でも編集者やライターが多く住むそこは、とかかわりの深い場所。そこを「と散歩が

    文筆家・近代ナリコの書評ブログ : 『一箱古本市の歩きかた』南陀楼綾繁(光文社文庫)
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    molvisp 2009/12/02
  • 河出ブックス創刊! : 『読者はどこにいるのか――書物の中の私たち』石原千秋(河出書房新社)

    →bookwebで購入 評者:高野優(フランス語翻訳家) 今回は書評をお届けします。フランス語翻訳家の高野優さんが、創刊ラインナップ『読者はどこにいるのか』について書いてくださいました。高野さんは、ヴェルヌ『八十日間世界一周』やファンタジー『アモス・ダラゴン』シリーズから、『モラル・ハラスメント』『自己評価の心理学』といった心理学読み物、『カルロス・ゴ-ン 経営を語る』まで、幅広いジャンルをこなす人気翻訳家。それこそ「読者はどこにいるのか」という問題意識から無縁ではいられない翻訳家という立場から、このをどのように読まれたのでしょうか。お楽しみください。 ***** 書は「読者および読者の仕方」について書かれたである。その中心にあるものは、「読者はもっと自由にを読んだほうがいい」ということだと思われる。少なくとも、僕はそう読んだ。したがって、おもにその観点からこのについて話したいと

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    molvisp 2009/12/02
  • 『にっぽん劇場』『何かへの旅』森山大道(月曜社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 「森山大道はこうして出来上がった」 いま書店の写真コーナーには森山大道のたくさんの写真集が売られている。大判のものからペーパーバックまで、サイズも厚みも装丁もさまざまな写真集がところ狭しと置かれており、写真集売り場の占有率がもっとも高いひとりであるのがわかる。 ここに新たに『にっぽん劇場』と『何かへの旅』の2冊が加わった。「1965-1970」「1971ー1974」という年号からおわかりのとおり新作ではないが、なあんだ、と言うなかれ。この2冊の刊行は、写真集史におけるひとつの「事件」とも言える重要性をもっているように思う。 理由を説明する前に、個人的な体験をふり返ってみたい。1993年から1年余にわたって14人の写真家を取材して『芸術新潮』に連載した。後に『眼の狩人』というにまとまったこの仕事が、私が写真と関わるきっかけだったが、このときに予想

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    molvisp 2009/11/28
  • 『「坂の上の雲」と日本人』関川夏央(文藝春秋) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「司馬を読まずして司馬がわかる、日がわかる」 司馬遼太郎の『坂の上の雲』を読んだことがありません。ですが、一読して、これは出色のであると感じたのは、書き手が関川夏央さんだから。私にとっての関川といえば、『戦中派天才老人、山田風太郎』を編んだ人。天才物語作家である山田風太郎の晩年に寄り添い、老齢ゆえの繰り言を何度もききとり、それをストーリー性のある対談に仕上げたその手腕に舌を巻いたものでした。 その関川さんが、司馬遼太郎の名作『坂の上の雲』を徹底解説するわけですからおもしろいに決まっています。 実は私は、司馬遼太郎をほとんど読んだことがありません。読んだのは『項羽と劉邦』『峠』くらいでしょうか。それもあまり印象が残っていません。日露戦争100周年ということで、司馬遼太郎が見直されていることは知っていましたが、その主人公が、正岡子規、秋山真之という四国松山の同郷の若者

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    molvisp 2009/11/27
  • 『読まず嫌い』千野帽子(角川書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 読み巧者は幼いころからの虫、と思っていたら、「児童文学に漂う『お子さんには山葵抜いときました』的な感じが気持ち悪くて」小学生時代は漫画以外のはほとんど読まなかったという著者が小説に目ざめたのは十三歳のとき、きっかけは筒井康隆だった。 この、ませているのか奥手であるのかわからぬ少年は、いったん読みはじめると「小説には自分が興味を持てない分野がいっぱいあること」と気づく。 ミステリが嫌い、SFが嫌い、時代小説が嫌い、歴史小説が嫌い、伝奇小説はブームがきたせいで傷、ファンタジーを読むなら映画のほうがいい、ライトノベルより漫画のほうがいい。さらには純文学、私小説・青春小説恋愛小説もだめ。「人生観を開陳されると、『文学臭が強い』と苦手に思って」しまう。「宮澤賢治、太宰治、サリンジャー。詩歌なら石川啄木も中原中也も、もう全部がアレルゲン」という「筋金入りの読まず嫌い」

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    molvisp 2009/11/27
  • 『ニッポンの思想』佐々木敦(講談社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「で、それが何?」 批評家は概して怒りっぽい。たぶん批評とは、苛々したり、激しく軽蔑したり、噛みついたり、憤りつつ励ましたりということをスタイルとして織りこんだものなのだ。少なくとも「ニッポンの批評」は。 そういう批評家たちの中でも、とりわけ派手な切った張ったの多かった一群の批評家たちがいた。八〇年代に一世を風靡したニューアカデミズム、いわゆる「ニューアカ」である。この「ニューアカ」を、浅田彰の『構造と力』を出発点としたひとつの持続的な系譜ととらえ、80年代からゼロ年代にかけての批評の流れを整理してみせるのがこの『ニッポンの思想』である。 しかし、そうした内容ののわりに目につくのは、一見した毒気のなさである。乱闘現場に乗りこんでいくにしては、スルッとスマートでおとなしい。この著者は、すごくいい人なのではないかと錯覚しそうになるほどだ。 だが、実はこういうスルッとスマ

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    molvisp 2009/11/27
  • 『写真的思考』飯沢耕太郎(河出書房新社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

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    molvisp 2009/11/27
  • 『ローマ喜劇』小林標(中央公論社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「悲劇か喜劇か」 夏の終わりに出た書は、すでに方々で話題になっているようだが、私にとって間違いなく今年の収穫の一つなので、欄でも取り上げることにした。恐るべし中公新書、と唸らされた一冊。 この書を読むまでは、悲劇はもちろん喜劇も場は古代ギリシア、と信じていた。アリストパネスが出たあとは、古代喜劇もまた死んだのだろう、と。「ローマ喜劇」と言われても、セネカによってギリシア悲劇がストア風の味付けでラテン語に翻案されたのと同程度だろう、と高を括っていた。ところがどっこい、そんな話ではなかった。ここにこそ「古代ローマ」があった。民主制下のアテナイ市民とは異なる、共和制期のローマ人が、まさに躍如としていたのである。 古代世界においても、いや観劇を愉しんだローマ人にさえ、悲劇はもちろん喜劇も場はギリシア、と固く信じられていたらしい。じっさい、悲劇と同様、ローマ喜劇はギリシ

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    molvisp 2009/11/27
  • 河出ブックス創刊! : 『脳科学の真実――脳研究者は何を考えているか』坂井克之(河出書房新社)

    →紀伊國屋書店で購入 「河出ブックス」の創刊ラインナップ紹介、5点目は坂井克之さんの『脳科学の真実――脳研究者は何を考えているか』です。 坂井さんは、東京大学大学院医学系研究科准教授。専攻は認知神経科学。ヒトの心の働きの脳内メカニズムを脳画像を用いて研究されています。 近年すっかりお茶の間に浸透した観のある「脳科学」。そのブームに潜む危うさに、第一線の脳研究者が迫ります。しかし、単にあら探しをするのではなく、脳研究の現状をフェアに見つめている点が読みどころです。 坂井さんから読者のみなさんへのメッセージです。 「最近、同じ業界の人たちによく言われるんです。『今、巷であやしい脳科学がいっぱい出回ってるよね。黙って見てるだけでいいの?』 これに対して『もうすぐを出すから待ってて』と私が言い続けてきたがこちらです。これは脳研究の現場にいる人間として、今、書かなければいけないなのです。皆さん

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    molvisp 2009/10/08
  • 『サイード自身が語るサイード』エドワ-ド・W.サイ-ド & テリク・アリ-/大橋洋一 訳(岩波書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

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    molvisp 2009/08/20
  • 『斬進快楽写真家』金村修(同友館) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「欧米とは180度ちがう写真家のテーゼ」 最初に金村修の写真に注目したのはヨーロッパで、東京綜合写真専門学校在学中の1992年にオランダのロッテルダムのフォト・ビエンナーレに選出、96年にはニューヨーク近代美術館の「New Photography 12」展で「世界の注目される6人の写真家」に選ばれるなど、欧米での評価が先だった。 なるほどと思った。彼が撮るのは、放置自転車や看板や幟の氾濫する駅前や、空に黒い電線が行き交う雑居ビル街である。急いで通ろうとすると自転車に足をひっかけ、人ごみを抜けようとして他人にぶつかる、そんな見慣れた場所がモノクロで撮られている。日人にはうんざりな光景だが、欧米人は日をこのような形で見せられ新鮮だったのではないだろうか。 もっとも、彼の写真はベタなリアルさを追求してはいない。写真から伝わってくるのはリズムと量感、さまざまなフォルムの重

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    molvisp 2009/08/20
  • 『眼の冒険―デザインの道具箱』松田行正(紀伊國屋書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「『眼の冒険』のブックデザイン賞と次作について」 (松田行正・グラフィックデザイナー=著者) 成人になってから授賞式で賞状を受け取るなんてはじめて。賞を頂くということがこんなに気持ちのよいことなんて知らなかった、というのが偽りのない感想だ。賞状を頂くために自分の順番が回ってくるまで待たなければならないという苦痛もまたよし、である。 少し大口を敲くと、現在のような仕事ぶりを続けている限りいずれなんらかの賞の対象になるかもしれないとはなんとなく思っていたが、あまたあるの中から一冊か二冊選ばれることも奇跡としか思えなかった。そして、日々の仕事に追われ、誰しも同じかと思うが、受賞という考えは念頭から去っていた。たぶん、そこが賞というもののよさだろう。突然やってくる。 また受賞作がカッコいい。なんと自著である。今回の賞の歴史の中で、著者自装の受賞はおそらく初だろう。自著とい

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    molvisp 2009/08/17
  • 『ヒューマニティーズ-歴史学』佐藤卓己(岩波書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 書を読んで悲しくなった。この手の入門書は、著者が自分の読書歴にもとづいて書かれている。著者と同じや同種のを読んだことのある者は、頷きながら、あるいは自分と違う読み方をしていると反発しながら、読み進める。しかし、を読んでいない者は、このに書かれていることの意味がわからない。書で書かれている「パソコンを使う前にマニュアルを読むようなものだからである」。大学に入学してから読んだを訊ねると、授業で使ったしかあげない学生が読んでも、書はわからない。だから、授業で使えない! 悲しい! シリーズ、ヒューマニティーズ全11冊は、哲学、歴史学、文学、教育学、法学、政治学、経済学、社会学、外国語学、女性学/男性学、古典を読む、からなる。明らかに社会科学に属するものが半数ある。「歴史学は科学か?」と問われた近代と違い、近代科学だけでは明らかにできない現代の諸問題に対処す

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    molvisp 2009/08/17
  • 『ウィキペディアで何が起こっているのか』 山本まさき&古田雄介 (オーム社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 『ウィキペディア革命』はWikipedia文化論の視点から俯瞰的に論じていたが、書は日語版Wikipediaがどのような人たちによって、どのように運営されているかに注目していわば等身大に論じている。著者の山まさき氏はSE、古田雄介氏はIT関係のライターだそうである。2007年から2008年にかけての日語版が対象となっていることもあるが、『ウィキペディア革命』と較べると情報量が多いだけでなくなんとも生々しい。 2007年から2008年の日語版と断ったのには理由がある。社会的影響力をもちはじめた日語版Wikipediaは2007年にいたって外部の批判にさらされるようになたが、内部的には批判に答えるべく体質改善の動きが起こり、すったもんだの末に2008年には一応の改善が見られたからだ(といっても、相当あぶなっかしいが)。 01「ウィキペディアとは」(山まさき

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    molvisp 2009/08/17
  • 『街場の教育論』内田樹(ミシマ社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

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    molvisp 2009/08/17
  • 『ニューズウィーク日本版ペーパーバックス アメリカ人 異人・変人・奇人』ニューズウィーク日本版編集部【編】(阪急コミュニケーションズ) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 『ニューズウィーク』誌の投稿記事のアンソロジー。1972年より続く「My Turn」なるこのコーナーは、「オープンな編集方針を掲げるニューズウィークのシンボル的なページ」なのだそうで、まるまる一頁を割いた誌面には投稿者の写真が入り、そこで、さまざまなアメリカ市民たちがその人生や、主張や、体験を語るというもの。 9・11以降、イスラム教徒への風当たりが強くなろうとも、「宗教的シンボル」であるターバンにこだわり、かつこれをネタにして笑いをとろうとするシーク教徒の芸人。物心ついた頃から、両親が次々と虐待を受けた乳幼児の里親になりつづけ、これまで二百五十人におよぶの傷ついた「弟」や「妹」たちを見てきたという女の子。内戦の続く故郷の村から逃げ出し、たったひとりで難民キャンプを点々として育ち、長じて渡米した当初は電灯のつけ方すらわからず、平和なアメリカ社会に適応するまでの苦しみを

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    molvisp 2009/08/17
  • 『守り人(全10巻完結セット)』上橋菜穂子(偕成社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「オトナの夏休み課題図書」 とても大切で、大好きな友人に薦められて読んだ。 ファンタジーといってしまうと、レッテルをはるようで失礼な気がするが、 やはりファンタジーなんだろうな、とも思う。 とにかく世界が濃密で、いつまでも思いきり浸っていたい。 異国の話ではあるけれど、とことん和風ファンタジー。 妙にしっくりくる世界観なのだ。 計算してぬかりなく作られた世界、ということではなく 人々が暮らしている息遣いが聞こえてきそうな、 しっとり身にまとわり付いてくる感じ。 デジャヴに近い懐かしさ。 ちっとも見たことのない世界なのに。 この感情はどこから来るんだろうか。 世界観というよりは生活感、かもしれない。 おいしそうな異国のべ物や 情景が見えてくるような住まいの描写がすばらしい。 様々な国の人の気質や、それぞれの暮らしや文化がたっぷり描かれている。 登場人物も魅力的だ。 メ

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    molvisp 2009/08/17
  • 『僕と演劇と夢の遊眠社』高萩 宏(日本経済新聞出版社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「劇評家の作業日誌 (46)」 1976年に野田秀樹とともに創設し、やがて80年代の若者文化をリードした超人気劇団・夢の遊眠社の元プロデューサーによる回顧録である。著者の高萩宏は現在、東京芸術劇場の副館長を務めるが、書では92年に人気絶頂のまま解散した遊眠社時代までが語られる。 著者は劇団解散の少し前の89年に劇団から離れた。大学を卒業してから数年間、紀伊國屋書店の洋書営業のサラリーマンを勤め、80年に26歳で出戻ってから、彼は10年近く劇団の成長と発展に力を尽くした。 このを読みながら、わたしは1980年代という時代のことを思い返していた。今ではバブリーな時代として語られることが多くなったが、実際にその渦中にいた者が何を考え何に直面していたかが記述の底から浮かび上ってくる。それは一劇団の「サクセスストーリー」を綴るにとどまらず、もっと大きな時代のうねりが活写され

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    molvisp 2009/08/17
  • 『バカと東大は使いよう』伊東乾(朝日選書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「東大とは? 教養とは?」 フランスには「グランゼコール」と呼ばれる学校がある。エコール・ポリテクニック、フランス国立高等師範学校、国立行政学院等だが、これらの学校に入学するには、まずBAC(大学入学資格取得試験)で好成績を修めなければならない。その後「プレパ」という特別クラスに1~2年通い、受験する事になる。大変な苦労だが、グランゼコールを卒業すると、明るい将来が保証されている。 日でこれらの学校に「近い」位置にあるのは、やはり東大であろう。東大を論じたを時々見かけるが、東大出身者によって書かれたものが目立つ。他大学出身者が東大を評すると、やっかみや僻みと取られかねないからだろうか。もちろん、内部を知る者が一番確かな批評をなしえるということは言えるだろうが。 伊東乾の『バカと東大は使いよう』は、筆者が東大出身かつ東大の教員であり、物理学と音楽という異なる分野を専

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    molvisp 2009/07/09
  • 『内田百閒( (ちくま日本文学 1) (文庫) 』内田百閒(ちくま文庫) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「深入りしない物(もの)の怪(け)」 内田百閒の作品では、始終、男が歩いている。大概は、土手を歩いている。歩いているうちに、しばしば、物の怪が現れる。両者はしばらく同行し、いかにも物の怪らしい挙動があったりなかったりして、終いには、往々にして、男は涙を流す。歩いて、憑かれて、涙する。 物の怪は女だったり、狐だったり、父親だったりするけれど、中には最後まで正体の知れないこともある。「山高帽子」がその例で、幻の声が頓着される。主人公は自分の顔が無闇に大きくなったように感じ、閉居気味となり、出掛けても奇行が目立つようになる。そうこうするうちに、聞こえるはずのない声を聞き、出奔したりする。友人は彼が自殺でもしかねないと案じるが、当の人は「疲れたらしい」と言って、どこか他人事のような悠長さで構えている。 鈴木清順(監督)と田中陽造(脚)が『ツィゴイネルワイゼン』で内田百閒作

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    molvisp 2009/07/09