東京新聞論説委員・長谷川幸洋氏の新著『官邸敗北』(講談社刊)が話題だ。前々作『官僚との死闘七〇〇日』で、自らが"首相ブレーン"として関わった安倍晋三政権の内幕を描き、前作『日本国の正体』では自身の体験を元に官僚による政治家・メディア操作の実態を赤裸々に綴って山本七平賞を受賞した。 そして新著では、国民の大きな期待を受けて政権交代を成し遂げた鳩山内閣が、なぜこれほどまで早く失墜したのかを、政官の駆け引き・攻防を軸にドキュメントとして記している。 その長谷川氏が、安倍政権下での"盟友"で、財務省の異端児として知られた嘉悦大教授・高橋洋一氏とともに、鳩山官邸失敗の要因と末期症状について語り合った。 長谷川 先日、財務省の某幹部官僚と食事をした際に、ポスト鳩山由紀夫首相について率直に聞いてみたんです。「財務省としては、菅直人総理大臣---仙谷由人官房長官なら、文句はないんでしょ?」と。 高橋 財務