2016 - 07 - 15 いま君に伝えておきたいこと 僕には「想い」があった。 態度の悪いラーメン店が味だけで有名になるのが腹立たしかった。 ちょっとだけ美味しい飲み屋で予想以上の金額を取られるのが腹立たしかった。 笑顔が見たくて商売を始めたのではないのか。 素敵な「時」を提供したくてお店を始めたのではないのか。 日に日に積もる不満を胸に、今日もバイト先の居酒屋で「声出し」に励む。 「いらっしゃいませ」 「おまたせしました」 「ありがとうございます」 大きな声を出すたびに、左胸の「接客NO1」と書かれたプレートが揺れる。 この居酒屋ではお客が好きなスタッフに投票できる用紙があり、それに書き込んで投票するとお会計から100円引きというサービスをやっていた。 毎月その投票結果をもとにスタッフのランキングが発表され、3位までがプレートをつけることができる。 ランキング結果がわずかではあるが時