タンザニアのカバンガ保護センターで同じ疾患を持つ子供たちと共同生活を送るアルビノの少年。この施設は、2008年にアルビノ殺害事件が頻発したことから開設された。ここに暮らす住人の3人に1人がアルビノだ。(Photograph by Stephanie Sinclair) 2015年6月13日は国連が制定した初めての「国際アルビニズム啓発デー」となった。そのきっかけとなったのは40年前、アルビニズム(先天性白皮症。その患者は「アルビノ」と呼ばれる)のカナダ人少年ピーター・アッシュが、弱視や色素の薄い肌、白い髪などを理由にいじめにあったことだった。 嘲笑と暴力に苦しむ日々を生き延びたアッシュ氏は数十年後、世界には不幸にもアルビノへの偏見が原因で命を落とす子供たちがいることを知る。サハラ以南のアフリカでは、アルビノはゼルゼル(「無」の意)と呼ばれる霊体とされ、愚鈍、あるいは邪悪なものと考えられてい