首相にとって、これほど最悪の結末はなかったであろう。「きゃりーぱみゅぱみゅ」まで参戦するほどの総攻撃を浴びてもなお、検事総長に据えたかった、黒川弘務・前東京高検検事長(63)。しかし、その当事者自身が、自爆とも思える醜聞により、勝手に出世レースから脱落していったのである。 【写真】「検察庁法改正案」を安倍首相が諦めたホントの理由 *** 「週刊文春」が、黒川氏と産経新聞の司法クラブ所属記者2名、そして、朝日新聞の元司法担当記者1名との「賭け麻雀」をウェブサイトで報じたのは、5月20日のこと。緊急事態宣言下、その真っ只中に2度も雀卓を囲んでいたことに加え、辞表提出後も、「訓告」という、ほぼ無罪放免の処分で終わらせたものだから、世論は沸騰。 「懲戒免職にしろ!」 「起訴すべし」 そして、矛先は雀卓を囲んでいた記者たちにも向かって、 「実名報道せよ」 との声も上がっているのは周知の通りである。