笠松駅は、名鉄名古屋本線の岐阜寄りに位置する。 名古屋駅から名鉄特急岐阜行きに乗ると、地下ホームから発車した電車はトンネルの暗闇を通って、すぐに明るい地上に出る。 左側を並走する東海道新幹線を横目に、名鉄特急はぐいっと右へカーブしていく。 ほどなくして庄内川を渡ると、沿線がそのまま生活導線になっているような街並みを駆ける。 例年2月に行われる「はだか祭」で有名な国府宮駅、そしてJR東海道本線と合流する名鉄一宮駅を通り過ぎると、電車は雄大な木曽川に架かる陸橋に差し掛かる。 その陸橋を渡ると、すぐに砂のトラックコースと黄色と青のスタンドが見えてくる。 岐阜県羽島郡笠松町に位置する、笠松競馬場である。 「名馬 名手の里 ドリームスタジアム 笠松けいば」 車窓から見えるその看板に偽りなく、この小さな郷の地方競馬場である「笠松」の名は、日本競馬史において、決して小さくない意味を持つ。 笠松競馬場は、
