ライ麦などの被覆作物を押しつぶす際に使われる、耕さない農業の農機具ローラークリンパー=ロデール研究所提供 ブラウンさんはスコップを片手にピックアップトラックに乗り込んだ。そして同乗する私にこう言った。「耕さないと何がよいのかって? 土を見ればすべてがわかるさ」 ブラウンさんと農場を見て回った。耕している隣人の小麦畑はスコップがなかなか入らない。直射日光に照らされた厚さ5センチほどの薄茶色の表土は乾燥し、コンクリートのように硬い。 「私が農業を始めた時もこんな感じだった。化学肥料や農薬の使いすぎで生命がいないからだ」 一方、耕していないブラウンさんの畑の土には、収穫後の作物の残りがじゅうたんのように敷き詰められ、スコップがすっと入る。 土はチョコレートケーキのように黒く、団子状になっていて柔らかい。「これは炭素の色。隣の畑の土には2%以下しか有機物が含まれていないが、うちのは7~8%も含まれ
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