去る12月21日、阪急電鉄及び阪神電鉄は、神戸市の「三宮駅」を「神戸三宮駅」に改称した。「神戸市の中心街最寄りの駅なのに、“三宮”という駅名では観光客に分かりづらいのではないか」という地元商工会などの意見を受けての処置である。 さて、三宮にはJR「三ノ宮駅」もあるのだが、こちらの駅名は変更されない。また、三ノ宮から西へ進んだところにJR「神戸駅」が存在する。JRの駅で、しかも都市名が冠されたこの駅名を見ると、関西圏外の人は、神戸市の中核をなす駅という印象を抱くだろう。 ところが実際には、神戸市役所も、大手百貨店やショッピングモールも、三宮界隈に立地する。JR神戸駅に至っては、明らかに中心街から外れた立地である。なぜ、神戸の中心街でもないところに「神戸駅」が存在するのだろうか? 兵庫港開港と外国人居留地 神戸市が近代都市として発展する端緒となったのが、幕末の兵庫港開港と、それに伴う外国人居留