2004年9月18日、ソウル大学校ジェンダー研究所と社会史研究会共催のセミナーでおこなった報告の原稿に、2005年6月12日に「追記」を付加した。 日本軍の慰安所政策について 永井 和 (京都大学文学研究科教授) この報告は、永井和「陸軍慰安所の創設と慰安婦募集に関する一考察」『二十世紀研究』創刊号、2000年をもとに、一部補足したものである。 はじめに 問題の所在 Ⅰ.警察資料について Ⅱ.陸軍慰安所の創設 Ⅲ.日本国内における慰安婦募集活動 1.和歌山の誘拐容疑事件 2.北関東・南東北での募集活動 Ⅳ.地方警察の反応と内務省の対策 おわりに 補論:陸軍慰安所は酒保の附属施設 追記(2005年6月12日記) 注 はじめに はじめまして、永井和と申します。日本の京都大学で日本現代史を教えております。しばらくの間、おつきあいをよろしくお願いいたします。まず、この研究会にお招きいただき、報告す
|生命学ホームページ|掲示板|プロフィール|著書|エッセイ・論文|リンク|kinokopress.com|English | 日本倫理学会編『日本倫理学会第50回大会報告集』 1999年10月 52-57頁 女性学からの問いかけを男性はどう受け止めるべきなのか 森岡正博 女性学が現代倫理学にとってきわめて大きな問いかけをしてきたことはもはや疑問の余地のないことだと思う。女性学からの問いかけは、「男性」=「人間」という等号を疑うことすらなかった、というよりも、そういう等号の存在にすら気づかなかった哲学・倫理学を根底から揺さぶる力をもっていたと言わざるを得ない。(もちろん、女性学からの問いかけの根本性にまったく鈍感であったり、分かったふりをして実は完全に誤解していたり、知りもしないのに感情的に批判したりする学者もいるが、そういう方々のことはとりあえず無視しておこう)。 私はここで、女性学と倫理
注:勝手に連載になったので、これは1から順に新しいほうを下に置いていきます。 しばらく日記の更新を放置していたんですが、それでも来てくれているひと、有難う。さて今日は、久しぶりに真面目に書きます。 ユリイカの12月臨時増刊号『BL(ボーイズラブ)スタディーズ』、この間BL本が出たばかりなのに、第二弾ということは、ニーズがあるということですね。先回の本はなかなかよくできていて、面白かったので、第二弾も楽しみにしていました。今回も面白かったんですが、残念なのは、先ほどの回に較べると、ちょっと寄せ集め的な感じがしなくもないところ。もう少し突っ込んだ作品批評、というか、BLについてのもう少し理論的な考察が読めると嬉しいです。なんでBLという形式が日本社会で発達したのか、という疑問ってわたしにとっては大きなものなんですが。 あと当然ガイド的なものもついているんですが、小説のラインナップは、かなり趣味
@kohmiの登場とついコン騒動いままでTwitterに使い慣れてきたユーザーにとって、@kohmiこと広瀬香美さんの登場はかなり大きな衝撃だったのではないでしょうか。もちろん、有名な小説家やミュージシャンなどの「有名人」のTwitterへの参入は、それまでもよく見られたことでした。しかし、それでもkohmiさんのようにある一時期に、あれほど多数のユーザーの注目を集めるような「有名人」がTwitterに現れることはなかったのではないでしょうか。今は少し鎮静化して穏やかになったものの、彼女発言や「ヒウィッヒヒー」話などは、一時は新聞等の外部メディアまでに取り上げられるほどまでの過剰なの盛り上がりを見せていました。では、あの異様な盛り上がりは、いったいなにによって引き起こされたものだったのでしょうか?いったい彼女のどのようなところが、Twitterユーザーをあそこまで惹きつけたのでしょう?この
先の総選挙は、日本政治における歴史的選挙となるだろう。投票によって政権交代が起こるという経験を持つことは、民主主義の発展にとって重要なことである。 「民主主義」と書いたが、そもそも、それは何だろうか。一つの答えは、「投票して多数決で決めること」である。その典型は選挙だ。これを「集計民主主義」と呼ぶ。もしも集計民主主義がなければ、特定の少数者または単独者の意思に黙って従わねばならない。投票は面倒だと思っている人でも、独裁者にすべて任せておきたいとは思わないはずだ。 しかし、近年の民主主義研究では、集計民主主義の問題点が指摘されている。理由の一つは多数決の限界である。3人で昼食に行く時、各自の第1希望がハンバーガー、寿司、フランス料理で、かつ、第2・第3希望の順序も異なるとすると、多数決では決められない。いわゆる「投票サイクル」である。あるいは、総選挙以前の「ねじれ国会」を想起してもよい。
はじめに 大学で性教育って(おそらくふつうは)やらないし、中高でもどうだったか私 は記憶がありません。某女子大では春先の新入生オリエンテーションでちょっ とだけ話があるようですが、どういう内容か知りません1。まあ私は男性なので 性暴力の被害がどういうものかよくわかっていないのですが、なんか対策は必 要なんじゃないかなとか思います。 正直なところ、私のような典型的な中年男が女子学生にアドバイスすることが あるのか疑問ですし、また、そういうアドバイスすることと、「被害者を責め るblaming the victims」とか結びつくと考えられることが多いので2気後れするところが ありました。 最近、 Rathus, Nevid and Fichner-Rathus, Human Sexuality: In a World of Diversity: Allyn and Bacon, 2005 (
仮死状態の当ブログですが、私はまだ生きてます(挨拶) 今年は7月早々から暑くて死ぬかと思いましたが、何とか生きのびました。 阪大ではグローバルCOE「コンフリクトの人文学」というのをやってて、そのなかの研究会のひとつに「横断するポピュラー・カルチャー」てのがあって、なぜかそれに加わってて、昨日は、私の発表の番でした。 仮死状態からの蘇生をはかるため、そのディスカッション・ペーパーを何回かに分けて載っけることにします。 ここ数年、どうもテレビ的なもののことが(ネットやケータイとの対比において)なんだか気になってて、どうせならこの機に、気になってることを整理してみようという不純な動機でまとめたノートです。 なんか自分の好かない方面の文体になってます(泣) でもそのまんま、若干の注を追加しただけで、載っけときます。 「ポピュラー」なものとは、いったいどのようなもののことか。ポピュラーカルチャー研
§1.調査の目的と方法 §2.「右傾化」にかかわる政治的諸態度とそれらの関連構造 §3.「ネット右翼」的な層の推計と分析 §4.右傾性因子とネット利用行動等との関連 §5.右傾性因子を用いたクラスタ分析によるケースの類型化 参照文献 付属資料: 調査票および単純集計結果 要 旨 2007年10月にウェブ調査事業者のモニタを対象に調査を実施。「ネット右翼」について一般に指摘されることの多い特徴をもとに、次のa)~c)の3条件によって「ネット右翼」的な層を操作的に定義した。その比率は、本調査の有効サンプル数の1.3%であった(全998人中の13人)。ただし、今回の調査サンプルにはインターネットのヘビーユーザが多いという偏りがあるため、一般的なインターネット利用者における比率は、1%を下回るものと推測される。 「韓国」「中国」いずれに対しても、「あまり」「まったく」親しみを感じないと回答 「首相
というのを書いているのだが(なぜ)、まぁ「伝えたいこと」なんてないわけですけども、ともかくも ちょっと書いてみたところまでアップしておきますよ。 だいたい俺、学生時代から、社会学科に進学する/したような奴とは折り合い悪かったしな。なお、このネタについては 「一週間で読むルーマン」 宴の告知 も参照のこと。 ところで、あらためて「ルーマン理論の全体像」を振り返ってみて思うのは、どんな提案をしているのかまではわかっても、その帰結が何かというのがわからないことがたいへん多い、ということ。 これは俺のせいじゃない。半分はルーマン自身が悪く、あとの半分は要するに、研究がちっとも進んでいないということによる。研究者のみなさんには頑張っていただきたいものであります。(←ひとごと まぁいちおう、書いたところまでアップしておく。続きはいつか書くかもしれない。 この文書の目的 この文書は、ルーマンの30年にわ
國文學第53巻16号2008年11月号 「萌え」の正体 著者: 定価:1600円(本体1524円+税) ISBN:0182 発売日:2008/10 〈目次〉 「萌え」の本質とその生成について 斎藤環 「萌え」と「萌えフォビア」 伊藤剛 「萌え」の行く先――文学は敗北したのか 本田透 「キャラ萌え」とは何か 高田明典 音楽萌え―その諸相と東方・初音ミク― 井手口彰典 第三のジェンダー「萌えるヒト」 村瀬ひろみ 「萌え=をかし」論 山口隆之 萌えの世界はどこまで広がるか 堀田純司 児童ポルノ法は「萌え」を裁けるか 原田伸一朗 創造的コミュニケーションとしての「萌え」 Shiburin 二次元と三次元の狭間に住む女の子たちの話 金巻ともこ 個人的萌えと商業的萌え、萌えとかわいいとエロの関係 ヤマダトモコ 「萌え」の構造~聖と俗の
「民族浄化(ethnic cleansing)」という言葉は、ここ十年あまりのうちに非常に広く使われるようになり、いつのまにか、ごくありふれた言葉とさえなっている。この言葉が広まった直接のきっかけは一九九〇年代の旧ユーゴスラヴィア各地の内戦だが、その事例に限らず、それ以外の様々な事例にこの言葉を当てはめる用語法も次第に増大している。この言葉で指される事態が――その実相を突き止めるのはしばしば非常に難しいのだが、ともかく、この言葉を使う人がそこに込めようとしている意味に即していえば――悲惨きわまりない出来事であることを思えば、こうした言葉が流行語になる時代というのは不幸な時代ということになるだろう。 それにしても、もし言葉の指す意味内容が確定しているならば、悲惨な事態を正面から見据える――そして、できることならば、そうした事態をこれからは引き起こさないようにする――ためにも、そうした言葉を使
ネットワーク出版 科学方法論: □価値、客観性と学問の社会的有用性 □問題解決の知的構造 政治学: □政治、国家および民主主義の捉え方 □民主主義の価値は何に由来するか? □このサイトでは、根岸毅(ねぎしたけし、慶應義塾大学名誉教授、政治学専攻、法学博士)の日本語での著作物を電子ファイルの形で入手することができます。 □□[操作の仕方] □ファイルの内容を画面に表示させることができます。 □(1) 本文を画面に表示させたい場合は、著作物名の後の【T】または【T.pdf】をクリックしてください。 □(2) 要旨を画面に表示させたい場合は、著作物名の後の【S】をクリックしてください。 □(3) 付属の図などを画面に表示させたい場合は、著作物名の後の【G】をクリックしてください。 □(4) 【G】の表示がある場合は、かならず図などもコピーまたは印刷し、本文の指定された箇所に挿入してください。 □
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