中国で6月に入ってからのホットワードの1つは「銭荒」だろう。 「金が足りない」という意味だが、日本語で報道されるときには流動性逼迫とか、流動性リスクと翻訳されている。ようするに中国の金融市場で深刻な資金不足に陥っており、債務不履行で倒れる銀行がばたばたと出そうだ、と懸念されている。 政権交代前のかなり前から、「2013年7月危機説」というのは囁かれていた。それが現実味を帯びてきたのが6月に入ってからの中国の銀行間取引金利の急上昇だ。先週20日に中国の銀行間取引金利の指標であるSHIBOR(上海銀行間出し手金利)が翌日物13.44%にまで上がると、日本のメディアも「銀行デフォルト連鎖(か?)」といったセンセーショナルな記事が出始めた。 しかも23日午前中に、工商銀行のATMシステムがダウンする「故障」があり、これは預金者が預金封鎖を警戒して預金引き下ろしに殺到したためではないか、といった噂も