当コラムでは2回前の「iPhone 5cに圧勝した『土豪ゴールド』」で、中国でも廉価版として米Apple社が出したスマートフォン「iPhone 5c」(以下、同5c)の販売が低迷しているようだということを書いた。その後も、中国や台湾では同5cの不調を伝える情報が相次いでいる。 中でも注目されたのは、EMS(電子機器受託生産)世界最大手の台湾Hon Hai Precision Industry社〔鴻海精密工業、通称:Foxconn(フォックスコン)〕が、同5cの生産を打ち切り、Apple社が同5cと同時に発売を始め品薄状態が続いている旗艦モデル「iPhone 5s」(以下、同5s)の生産に注力するというものだ。 こうした情報は大半が市場関係者や金融機関のアナリストによるものだったが、業界の関心を集めたのは、台湾の経済紙『工商時報』(2013年11月16日付)の報道。同社のiPhone主力工場